なぜ日産「e-POWER」は人気? GT-R開発のノウハウを活用した電動車の魅力とは
e-POWERはGT-R開発のノウハウが継承されて誕生した?
e-POWERについて、日産は「EVのように滑らかで、スポーツカーのように気持ちいい。それが電気の力で走る『e-POWER』です」といいます。
このスポーツカーのようにという部分では、日産が世界に誇るスーパースポーツ「GT-R(R35型)」のDNAが継承されているようです。
GT-Rに搭載されるVR38DETTエンジンを開発した1人であるパワートレイン・エンジニアの仲田直樹氏は、長年にわたってガソリンエンジンの開発を担当してきました。
その後、電気自動車「リーフ」の電動パワートレインを開発することになり、初代リーフを担当することになった際、GT-Rの開発で得た経験やノウハウを活かしたといいます。
そして、リーフの100%モーターのみで駆動するドライビングフィールはe-POWERにも継承されました。
e-POWERは、ほかのハイブリッドカーとは大きく異なります。エンジンで発電した電気をリチウムイオンバッテリーに蓄え、高出力の電気モーターのみで走行します。
そのため、ドライビングフィールはEVの走りそのものですが、ガソリンを給油すれば、航続距離を気にすることなくどこまでも走ることが可能です。
e-POWERの開発時について、前出の仲田直樹氏は次のように話します。
「『e-POWER』は一見シンプルなシステムに見えるので、簡単につくれそうと思われる人もいるかもしれません。
実は逆にシンプルであるからこそ難しいのです。走行に使う電気と発電量のバランス、エンジンをかけるタイミング、バッテリーの大きさ(容量)など、さまざまなシーンでお客さまにご満足いただけるようにしっかりと造りこんできました。
いろいろな道を走っては議論を重ね、改良したらまた走って確認する。この繰り返しでした」
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今後のe-POWERについて、2021年2月26日に日産は次世代e-POWER向け発電専用エンジンで、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を発表しました。
現在、自動車用ガソリンエンジンの平均的な最高熱効率の限界は40%台前半が限界とされていましたが、日産が実現した熱効率50%はエンジン開発において革新的なものだといいます。
また、欧州市場では1.5リッター可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとして搭載する新型「キャシュカイ」の存在を明らかにしているなど、e-POWERの進化は続いていくようです。
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