なぜトヨタはコロナ禍で一人勝ち? 国内シェア50%達成のトヨタブランドの強みとは

世界でもトップクラスのシェアを誇る自動車メーカーであるトヨタは、ハイブリッド車を中心に、幅広いユーザーにマッチするラインナップを展開し、国内では絶対王者ともいえる存在です。なぜトヨタ車が選ばれるのか、中古車販売店店長や実際のオーナーたちに聞いてみました。

実際にトヨタ車を選んだ人の本音とは?

 実際にトヨタ車を乗り継いでいるユーザーはどのように思っているのでしょうか。

 東京都在住のKさん(60代・男性)は元職人。以前は仕事の機材車を兼ねて「タウンエースノア」に乗っていましたが、退職後は「シエンタ」にダウンサイジング。それ以前もトヨタ車が多かったとのことです。

トヨタ「シエンタ」
トヨタ「シエンタ」

「仕事を兼ねていたので、あまり派手なクルマにはしたくなかったことや、機材も人も積む機会が多かったのでミニバンを選択しましたが、トヨタはミニバンの種類も豊富だったことも大きなポイントでした。

 タウンエースノアからシエンタに乗り換えたのも、これまた家族と一緒に乗れて、手頃なサイズのモデルがシエンタだったということもあります」

 走行距離20万kmを超えるまで乗り切ったタウンエースノアから、もう少し小さいサイズで3列シートのミニバンがほしいと思ったところに、担当営業マンからシエンタを提案されたそうです。

「もともとシエンタに乗ろうと思っていたわけではありませんが、サイズは小さくても軽自動車ではない3列シートという、私のニーズに合うクルマがトヨタにはありました。

 切れ目のないラインナップで、ユーザーが欲しいと思う車種を用意できるのがトヨタの強みな気がします」

 ミニバンの「ヴォクシー」のオーナーであるNさんは警察官。仕事では「クラウン」のパトカーにも乗ったことがあるそうです。

「プライベートではずっと『マークII』などのセダンに乗っていました。もうすぐ定年を迎えるにあたり、趣味である畑仕事の道具なども積みたくてミニバンにしました」

 Nさんが買い換えたのは日産の売れ筋ミニバン「セレナ」に電動パワートレインの「e-POWER」が設定される前後で、当時はまだミニバンのハイブリッド車が数少なかったこともあり、トヨタディーラーの知り合いに相談した結果、ヴォクシーに落ち着いたのだそうです。

「トヨタのクルマは尖った部分がないんですね。このクラスのミニバンに求められる機能は全部付いているし、冠婚葬祭に乗りつけても違和感がないのもヴォクシーを選んだ理由です。

 逆に不満があるとすれば、街で同じクルマを見かけることが多いことでしょうか。あと、もう少しパワーがあればいいなとは思いますが、燃費も良好だし気に入っています」

 ネガティブな面が少ないのもトヨタの特徴のひとつ。ミニバンなどの実用的なクルマは、高い信頼性と使い勝手の良さ、広い室内空間が必要な人にとって最適ですが、コンパクトなシエンタからミドルサイズの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、高級ミニバンの「アルファード/ヴェルファイア」と豊富にそろえているのもトヨタの戦略だといえそうです。

「下取りに出すときにリセールバリューが他メーカーと比較して良いというのもトヨタ選んだ理由です。やはりできる限り高く手放せるクルマに乗っていたいですから」

 一方、スポーツカーに憧れてトヨタ「86」を中古で購入したBさん(20代・男性)は、トヨタというより86の指名買いだったそうです。

「現在、2リッタークラスのスポーツカーって86ぐらいしかないんです。マツダ『ロードスター』は2シーターだし、兄弟車のスバル『BRZ』は中古のタマ数も少なくて、ある程度の実用性も求めると、狭いながらも後席がある86しか思いつきませんでした」

 スポーツカーやクーペ不遇の時代である現在でも、FRクーペをラインナップするあたりもトヨタらしいソツのない販売戦略だといえます。

「私はある程度カスタムが施された86を購入しましたが、カスタムパーツが豊富なのもトヨタだからかなと思います。ただ、純正オプション品がけっこう高価なので、その辺りがもう少し改善されるといいです」

 それでもいまでは貴重な2リッタークラスのスポーツカーだけに、長く乗り続けたいとBさんは話してくれました。

※ ※ ※

 昔からいわれていることですが、欠点らしい欠点がないのがトヨタの強みです。またこの不況下ではリセールバリューの良さも、トヨタを選ぶ大きな理由と思われます。

 不況だからこそ、クルマ選びで失敗したくないというユーザーの気持ちが、50%以上のシェア拡大に貢献したといえそうです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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