なぜトヨタはコロナ禍で一人勝ち? 国内シェア50%達成のトヨタブランドの強みとは

世界でもトップクラスのシェアを誇る自動車メーカーであるトヨタは、ハイブリッド車を中心に、幅広いユーザーにマッチするラインナップを展開し、国内では絶対王者ともいえる存在です。なぜトヨタ車が選ばれるのか、中古車販売店店長や実際のオーナーたちに聞いてみました。

2020年に初の国内登録車シェア50%超を達成したトヨタ

 日本だけでなく、世界的にもシェアを伸ばし続けているトヨタ。2020年はコロナ禍の影響でクルマの販売台数も大きく落ち込んでしまいましたが、2020年の新車販売台数(レクサスを含む/軽を除く)は147万2210台で国内のシェア率は51.1%を記録しました。

2020年に国内シェア50%超となったトヨタ
2020年に国内シェア50%超となったトヨタ

 1950年からの統計でもはじめてシェア50%を超え、景気が伸び悩む経済状況下においても「TOYOTA」ブランドの価値が確実にアップしています。

 しかし、トヨタ以外のメーカーも魅力的な新型車を開発し、熾烈な販売合戦が繰り広げられているにも関わらず、トヨタの一人勝ちともいえる状況ですが、トヨタの人気の秘訣はどのようなところにあるのでしょうか。

 トヨタの強さについて、中古車を中心に手掛けている販売店の店長に次のようにいいます。

「全国に展開している強固なディーラー網のお陰で、自分の住んでいる地域に必ずトヨタの販売店があるのが強みです。

 そして『数多くの人が問題なく乗っている=信頼性が高い』というイメージがあります。

 ハイブリッドや先進運転支援システムなど、環境にも人にも優しいクルマが多いこともあり、ブランド力が高いということがトヨタ人気につながっているといえそうです」

 また、信頼性の面に関しては「トヨタはひとつのエンジン形式を長く使うメーカーでもあります。そのためエンジンの熟成は進み、メンテナンスでも仕入れた部品を長く活用できるなど、結果としてトラブルがあっても対処ができることが信頼性の高さにつながって成功しているように思います」と中古車店店長は話します。

 もともとエンジン形式は1度新しくすると長く使うのは他メーカーも一緒ですが、そのサイクルが長いということは、手堅く、保守的な部分が多いメーカーともいえます。

 しかしそれを先進技術と組み合わせ、古さを感じさせない工夫もトヨタならではのブランド力の強さなのかもしれません。

 ただ、必ずしもトヨタが完璧というわけでもなさそうです。

「トヨタだけではありませんが、最近のクルマは塗装皮膜が非常に薄くなり、(リコールこそないものの)塗装が剥げてしまうなどのトラブルが報告されています。また使用されるパーツの海外生産も増えており、同じ形式のエンジンでも生産国によってはオイル消費量が著しく多いケースなどもあるようです」

 日本車とはいいつつも、エンジンやパーツ類が海外で生産されていることも多くなっています。グローバル化が進むなか、トヨタ車もすべてが「MADE IN JAPAN」とはいえないのは仕方ない部分ではあります。

「しかし、それでも顧客のニーズに合わせた豊富なラインナップと必要な装備を上手に振り分けたグレード展開で、ユーザーが求めるものをカバーできるバリエーション展開はいつも驚かされます。この辺りの充実ぶりが、トヨタ車を乗り継ぐ人が多い理由なのかもしれません」(中古車販売店店長)

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