スカイラインGT-Rが3000万円オーバー! べらぼうな価格の国産車5選

コンセプトは異なるものの国内外から垂涎の的となっている2台の高性能車とは

●ホンダ初代「インテグラ タイプR」

超硬派でストイックなモデルながら絶大な人気となった初代「インテグラ タイプR」
超硬派でストイックなモデルながら絶大な人気となった初代「インテグラ タイプR」

 ホンダは1992年に、サーキット走行を視野に入れて開発されたストイックな高性能モデルとして「NSX タイプR」を発売。

 そして、1995年にはタイプRシリーズ第2弾として、FFスポーツモデルの「インテグラ タイプR」が追加ラインナップされました。

 インテグラ タイプRはNSX タイプRと同様なコンセプトで、エンジンは最高出力200馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒を搭載。標準モデルよりも40kgもの軽量化とボディの高剛性化を両立したボディに、専用サスペンションや空力パーツを装着するなど、サーキット走行を想定して開発されました。

 ボディタイプは3ドアハッチバックと4ドアセダンがあり、北米でも3ドアハッチバックのアキュラ「インテグラ タイプR」が少量販売されています。

 現在、タイプRシリーズは、NSXを筆頭に、インテグラ、「シビック」も価格高騰が続いていますが、NSXタイプRはもともと販売台数が少ないことから、市場に出る機会もごくわずかで、相場も不明な状況です。

 一方で、初代のインテグラ タイプRはヒットしたこともあって比較的現存数も多く、良好な個体ならば400万円台が相場で、程度によっては700万円台から800万円台と、初期型の新車価格が222万8000円(消費税含まず)からだったことを考えると、3倍以上まで跳ね上がったことになります。

 なお、アメリカでもインテグラ タイプRは希少なモデルとして価格が高騰し、オークションでは7万ドル(日本円で約730万円)以上の高値で落札された事例もあります。

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●スバル「インプレッサ 22B-STiバージョン」

迫力あるボディと特別なエンジンが大いに魅力的な「インプレッサ 22B-STiバージョン」
迫力あるボディと特別なエンジンが大いに魅力的な「インプレッサ 22B-STiバージョン」

 かつて、世界ラリー選手権(以下、WRC)において、ライバルとして性能を高めあった存在が、三菱「ランサーエボリューション」とスバル「インプレッサ WRX」です。

 どちらも現在は消滅してしまいましが、なかでも伝説的なモデルとして挙げられるのが「インプレッサ 22B-STiバージョン」ではないでしょうか。

 WRCでは、1997年以降のレギュレーション変更により改造範囲が広がった「WRカー」による戦いが始まり、スバルは2ドアクーペの「インプレッサ リトナ」をベースにした「インプレッサ ワールドラリーカー97」を投入。

 このラリーカーを再現したレプリカモデルとして、1998年に400台限定でインプレッサ 22B-STiバージョンが発売されました。

 インプレッサ 22B-STiバージョンはSTI(スバルテクニカインターナショナル)が製作したコンプリートカーのひとつで、ブリスターフェンダーによる迫力あるワイドボディが最大の特徴となっています。

 エンジンも専用にチューニングされた「EJ22改型」を搭載。最高出力280馬力を誇る2.2リッター水平対向4気筒DOHCターボです。

 ほかにもクイックレシオステアリングやツインプレート・セラミックメタルクラッチ、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、アイバッハ製スプリング、BBS製鍛造アルミホイール、ピレリ「P-Zero」タイヤなどを装備し、STI謹製にふさわしい走りも与えられました。

 当時の価格は500万円(消費税含まず)とかなり高価でしたが、発売すると即完売し、2019年くらいまでは中古車は1000万円ほどでしたが、現在は滅多に市場に出ることもなく、2000万円から3000万円のプライスタグが付けられています。

※ ※ ※

 絶版高性能車の価格高騰はここ5年ほどでさらに顕著となりましたが、かつてこうしたモデルを扱っていたというショップに現状を聞いてみました。

「うちは絶版高性能車の整備や修理をメインにおこなっていますが、1年ほど前までは中古車も販売していました。

 過去系なのは、現在は販売していないからで、理由は価格が上がりすぎて買える人がいなくなってきたからです。

 現状の相場では金に糸目をつけない海外のバイヤーや、国内でもかなりのお金持ちの方しか手が出せない状況で、必ず売れる保証もありません。仕入れも高額ですからリスキーなため販売は辞めました。

 むしろ、長年乗っているお客さんは手放さないので、整備の売上は好調です」

 価格の高騰によって販売も儲かるかというと、現状はなかなか難しいようで、たしかに今の異常な相場では買える人はごくわずかでしょう。

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