ホンダ「S660」の生産終了で貴重な存在? 100万円台から1000万円台の国産オープンカー3選

ホンダは2021年3月12日、軽オープンスポーツカー「S660」の生産を2022年3月に終了すると発表しました。これまでも数多くの国産オープンカーがデビューしましたが、ニーズの変化から減少し、また1台消えることになります。そこで、現在販売されている3台の国産オープンカーを紹介します。

もはや風前の灯火状態にある国産オープンカーを振り返る

 2021年3月12日、ホンダは軽オープンスポーツカー「S660」の生産を、2022年3月に終了すると発表しました。

 S660は東京モーターショーに2度プロトタイプが展示され、2015年3月に満を持して登場。往年の軽オープンカーである「ビート」の再来と評され、大いに注目されました。

有終の美を飾る特別なモデルの「S660 Modulo X Version Z」
有終の美を飾る特別なモデルの「S660 Modulo X Version Z」

 2020年1月にはマイナーチェンジを果たしたS660ですが、直近の2021年2月の販売台数はわずか212台で、それ以前も平均200台前後の低空飛行が続いています。

 そうした状況のなかで、2022年からの騒音や燃費、安全性に関する規制強化に対応するコストがかけられないという経営判断があったようです。

 かつては、国産メーカー各社からオープンカーがたびたび登場しましたが、近年はニーズの変化からラインナップは減少。S660の生産終了で、また1台のオープンカーが消えることになりました。

 そこで、現在も販売されている3台の国産オープンカーを紹介します。

●ダイハツ「コペン」

よりスポーティなグレードとして登場した第4のモデル「コペン GR SPORT」
よりスポーティなグレードとして登場した第4のモデル「コペン GR SPORT」

 2002年に誕生したダイハツ初代「コペン」は、軽自動車では初となる電動(手動脱着式もあり)ハードトップのクーペカブリオレとしてデビュー。

 エンジンは軽自動車では類まれな直列4気筒ターボを搭載するなどかなりの意欲作で、性能の高さと維持費の安さからセカンドカーとして人気となりました。

 そして、2014年には現行モデルの2代目が登場。デザインやシャシが一新されましたが、基本的なコンセプトは初代から継承されています。

 2代目の大きな特徴は、「ローブ」「セロ」「エクスプレイ」というテーマが異なる3タイプが設定されたこと。樹脂製の外装パーツは取り外しが可能となっており、ローブとセロは相互に着せ替えすることができます。

 搭載されるエンジンは64馬力の660cc直列3気筒DOHCターボで、トランスミッションは5速MTと7速マニュアルモード付CVTを設定。初代と同様にスポーティな走りも健在です。

 さらに2019年10月にはトヨタ GAZOO Racingとタッグを組み、第4のモデルとして「コペン GR SPORT」を発売。

 GR SPORTは走りの性能を最大限に発揮させるために、専用フロントブレース、センターブレースを追加し、車体剛性の向上が図られました。

 この高剛性ボディに加え、サスペンションには強化スプリングとしなやかさを追求したショックアブソーバーを採用。フラットな乗り心地と優れた操舵応答性を実現するなど、スポーツカーと呼べる仕上がりとなっています。

 ほかにも、GR SPORTにはBBS製専用鍛造16インチアルミホイールや、ホールド性に優れた専用レカロシート、MOMO製専用革巻ステアリングホイールも標準装備となりました。

 コペンの価格(消費税込、以下同様)は、188万6500円からです。

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●マツダ「ロードスター」

日本を代表する2シーターFRスポーツカーの4代目「ロードスター」
日本を代表する2シーターFRスポーツカーの4代目「ロードスター」

 日本中がバブル景気にわいていた1989年、マツダはオープン2シーターFRスポーツカーの初代「ロードスター」を発売。

 趣味のクルマといえるオープン2シーター車ながら、スタイリッシュなデザインで軽量コンパクトなボディに、優れた足まわり、ちょうど良いパワーの1.6リッターエンジン、安価な価格と、すべてが完全に調和したことから、国内外で大ヒットを記録します。

 しかしその後、代を重ねても初代からのコンセプトは受け継がれていきましたが、出力向上のための排気量アップや、ボディサイズの大型化、安全性の向上が図られたことから重量増は避けられず、ロードスターの根幹である「人馬一体」な走りはスポイルされつつありました。

 そこで、2015年に発売された現行モデルの4代目では、ロードスターの原点に立ち返ることをコンセプトに開発。

 ボディサイズは全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとワイド化しつつも、全長は3代目より105mm短縮されました。

 エンジンは最高出力132馬力の1.5リッター直列4気筒と、3代目の2リッターからダウンサイジングされ、トランスミッションはグレード別で6速MTと6速ATが設定されています。

 また、ボディ各部にアルミや超高張力鋼板を効果的に配置したことで、剛性アップと同時に100kgもの軽量化を実現し、エントリーグレードの「S」(6速MT)では車重990kgと1トン未満を達成。

 伝統の「人馬一体」のフィーリングはさらに磨きがかけられ、ロードスターは原点回帰に成功しました。

 ロードスターの価格は260万1500円からです。

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