ヒットしなかったけど実は良い? 今なら評価されたかもしれない車5選
コンセプトがニッチすぎた2台のモデルとは!?
●ホンダ「CR-Z」
2010年に発売されたハイブリッド専用車であるホンダ「CR-Z」は、全長4080mm×全幅1740mm×全高1395mmとコンパクトな3ドアハッチバックで、環境性能が優先されるハイブリッド車であってもMT仕様が選べ、ドライビングプレジャーを強調したモデルという、これまでにないコンセプトで開発されました。
パワーユニットは114馬力の1.5リッター直列4気筒エンジンに、14馬力のアシスト用モーターひとつを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。
駆動方式はFFの2WDみでトランスミッションはCVTまたは6速MTが設定され、10・15モード燃費はCVT車が25km/L、MT車が22.5km/Lを達成しました。
2012年のマイナーチェンジではエンジンを120馬力(MT車)、モーターを20馬力と出力の向上がおこなわれ、ハンドルに装備されたボタンを押してアクセルを少し踏み足すことで、力強い加速力が瞬時に得られる「PLUS SPORTシステム」も搭載されました。
CR-Zは実際の評価が高かったものの、往年のライトウエイトスポーツカー「CR-X」の再来と期待されたほどの運動性能は得られず、発売直後の人気はすぐに陰りを迎え、2016年に生産を終了しました。
実用的ながらスポーティなハイブリッド車というコンセプトは斬新でしたが、ハイブリッド=エコカーのイメージが強く、ニーズは限定的だったということでしょう。
●スバル「R1」
2005年にデビューしたスバル「R1」は、従来の軽自動車には無い個性的なスペシャリティカーを目指したモデルです。
ボディは軽セダンのR2をベースにした3ドアハッチバッククーペで、リアには緊急用のオケイジョナルシートを持つ2+2の4名乗車ですが、あくまでも前席2名乗車をメインに設計されていました。
スペシャリティカー的な室内空間の演出や、コンパクトなサイズを生かしたユニークなスタイリング表現のサイドビューは、画期的な造形と高く評価され、フロントビューも全体のイメージを壊す事なく個性とアイデンティティを主張するなど、新しい軽自動車のカテゴリーとされていました。
エンジンは最高出力54馬力を発揮する660cc直列4気筒自然吸気を搭載し、さらに発売同年には64馬力の直列4気筒DOHCスーパーチャージャーを追加。トランスミッションは全車CVTのみです。
足まわりは4輪独立懸架を採用し、上質なドライブフィーリングを実現しました。
しかし、走りの質を追求した軽スペシャリティカーというコンセプトはユーザーには響かず、R1は2010年に一代限りでR2とともに生産を終了。
すでに「大は小を兼ねる」軽トールワゴン、ハイトワゴンが主流の市場では、たとえR1が優れていたとしても、なすすべはなかったといえます。
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新車当時は大ヒットしなくても、振り返ってみると再評価されるべきクルマはほかにも数多く存在します。そうしたモデルの多くは中古車が安価で、後に売ることを考えなければかなりお買い得だといえるでしょう。
また、絶版車の魅力のひとつとして、いまでは見られなくなった個性的なデザインがあります。優れたデザインと評されるクルマは色褪せない魅力があるもので、そうしたモデルを発掘してみるのも楽しいでしょう。
しかし日本では、初年度登録から13年を経過すると自動車税と重量税が上がることから、古いクルマの維持に対しては消極的です。
せっかくユニークなクルマを見つけても、古ければ維持が困難になるという背景は、自動車文化という点で残念なことです。
ハイブリッドのCR-Zは、13年越えても今のところ自動車税は上がらないですよね。
初年度はカーオブザイヤー取ったり期待されてんだよなぁ…