ヒットしなかったけど実は良い? 今なら評価されたかもしれない車5選
名車と呼ばれるクルマのなかには、当時、高く評価されなかったモデルもあります。そうしたクルマは、新しい装備やコンセプトを世に問いかけ、後に再評価されたということです。そこで、新車当時はヒットしなかったものの、振り返ると実は良いクルマだったと評されたモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
絶版になってから再評価されたクルマを振り返る
いくら優れたクルマでも、ユーザーの嗜好や流行から外れていたり、反対にあまりにも斬新過ぎるデザインやコンセプトが受け入れられなかったモデルがあります。
各メーカーは5年先、10年先の未来を見越して新型車の開発をおこなっていますが、必ずしもトレンドやニーズとぴったりと合うわけではないところが、開発の難しさではないでしょうか。
一方で、そうしたクルマのなかには、後に再評価され、絶版になってから中古車が人気となったモデルも存在。そこで、新車当時はヒットしなかったものの、振り返ると実は良いクルマだったと評されたモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「プログレ」
1998年に登場したトヨタ「プログレ」は、全幅を1700mmに収めながらも2代目「アリスト」や10代目「クラウン」などとプラットフォームを共有するFRセダンです。
メーカー自らも「小さな高級車」を標榜したモデルで、小型のボディに2.5リッターと3リッター直列6気筒DOHCのゆとりあるパワーのエンジンを搭載。
ボクシーなフォルムで比較的オーソドックスなデザインの外観は、全長4500mmと全長はクラウンより300mmほど短いもののホイールベースは2780mmと長く、余裕のある室内スペースを持ち、静粛性や乗り心地もクラウンなどと遜色のないレベルを実現しました。
また、内装にはウォールナットの本木目パネルや本革シート、高級オーディオなど高級車にふさわしい素材や装備が採用され、ほかにもカーテンエアバッグや、カーナビゲーションが持つ情報と走行中のクルマからの情報を基に車両制御をおこなう「NAVI・AI-SHIFT」など、当時の日本初搭載の最新の技術も盛り込まれています。
日本の道路事情にもマッチしたプレミアムコンパクトセダンのプログレでしたが、落ち着きや品の良さを追求した内外装は「退屈で地味」と評価され、年配者にしか受け入れられず、2007年に生産を終了。
9年のロングセラーだったものの、販売台数は低空飛行が続いたため後継車はなく、一代限りで消滅しました。
アプローチは異なるものの、コンパクトなラグジュアリーセダンであるレクサス「IS」が成功したことを考えると、プログレのコンセプト自体は間違ってはいなかったといえるのではないでしょうか。
●マツダ「ボンゴフレンディ」
1966年にマツダは初代「ボンゴ」を発売。キャブオーバースタイルの外観に4輪独立懸架を採用した小型トラック、商用バン、乗用ワゴンの「コーチ」をラインナップし、当時の商用バンではベストセラーとなったことでワンボックスカーの代名詞になりました。
その後ボンゴは代を重ね、1995年には「ボンゴワゴン」の後継車として、ボンネットがあるセミキャブオーバースタイルのミニバン「ボンゴフレンディ」を発売。
最大の特徴は、キャンピングカーのポップアップ式テントと同様に、ルーフ部分を電動で持ち上げることで展開される「オートフリートップ」搭載車をラインナップしていたことです。
1列目と2列目シート間の天井にあるアクセスホールから2階にあたるスペースにアクセスでき、その広さは大人2人が就寝するのにも十分な面積で、アウトドア派のユーザーからは高い支持が得られました。
しかし、発売時には話題になったものの販売は低迷。見た目はセミキャブオーバースタイルのミニバンながら、エンジンを前席下に搭載する旧来のFRだったため床面が高く、ホンダ「オデッセイ」などFFのライバルよりも室内が狭くなってしまったのが人気とならなかった要因といわれています。
2006年に生産を終了したボンゴフレンディは、まさに現在の車中泊ブームを先取りしたクルマで、しかもキャンピングカーほど高価ではなく、今ならヒットしても不思議ではないコンセプトのモデルでした。
●ホンダ「クロスロード」
1993年にホンダは、提携関係にあったローバーグループからランドローバー「ディスカバリー」のOEM供給を受け、3.9リッターV型8気筒エンジンを搭載する、大柄で本格的なクロスカントリー4WD車である初代「クロスロード」の販売を開始。
いすゞから供給されていた「ジャズ」や「ホライゾン」とともに、ホンダのRV車ラインナップを形成していました。
しかし、初代クロスロードはRVブームの最中でも人気は低迷し、ほどなく販売終了となりますが、しばらく時間があいた2007年にはクロスオーバーSUVである2代目クロスロードが登場。
2代目「ストリーム」をベースに全長4285mm×全幅1755mm×全高1670mmのショート&ワイドのボクシーなボディで、優れた居住性を誇った3列シート7人乗りのモデルに仕立てられていました。
搭載されたエンジンはストリームと同じ最高出力140馬力の1.8リッター直列4気筒i-VTECと、150馬力の2リッターが設定され、駆動方式はFFと4WDを設定。
四角い車体は着座位置からフロントノーズ先端の見切りも良く、短い全長もあって日常の使い勝手の良いクルマでしたが、人気とはならず、2010年には販売終了と非常に短命でした。
その後、SUV人気の高まりから再評価され、中古車が比較的安価な価格帯なことから人気となり、まさに出るのが早すぎたクルマの代表的存在です。
ハイブリッドのCR-Zは、13年越えても今のところ自動車税は上がらないですよね。
初年度はカーオブザイヤー取ったり期待されてんだよなぁ…