日本ではすでに絶滅!? 自然吸気エンジン+MTの高性能セダン5選
オヤジセダンでも高性能NAエンジン搭載モデルがあった!?
●日産「サニー VZ-R」
1966年から2004年まで販売されていた日産「サニー」は、同社を代表する大衆車として一時代を築いたモデルでした。
サニーは2代目からスポーティなモデルをラインナップするなど、若者に向けたグレードを展開してきましたが、1998年に発売された9代目はベーシックなセダンとして、年配の人が乗るイメージが定着。
しかし、短期間だけ「VZ-R」というスポーツモデルがラインナップされていました。
VZ-Rに搭載されたエンジンは、名機「SR型」シリーズのひとつである1.6リッター直列4気筒DOHC「SR16DE型」で、最高出力175馬力を7800rpmという高回転で発揮。組み合わされるトランスミッションは5速MTのみです。
外観は他のグレードと明確な違いはほとんどなく、VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムと195/55R15サイズのタイヤくらいでした。
2000年のマイナーチェンジでグレードの整理がおこなわれ、VZ-Rはラインナップから消滅してしましい、わずか2年ほどの販売期間だったため、いまではかなりレアなモデルです。
●三菱「ランサー MR」
三菱「ランサー」というと、高性能な「ランサーエボリューション」シリーズの存在感が強く、スタンダードモデルを記憶している人は少ないかもしれません。
しかし、1995年に登場した5代目では、高性能なNAエンジンを搭載した「ランサー MR」がラインナップされていました。
5代目は「ミラージュ4ドア」と兄弟車であり、エンジンもミラージュシリーズと共通化が図られます。
ランサー MRに搭載されたエンジンは175馬力を誇る1.6リッター直列4気筒DOHC MIVECで、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。
サスペンションはフロントがストラット式、リアにマルチリンク式を採用する4輪独立懸架で、1トン少々の軽量な車体と相まって、高いコーナリング性能を発揮しました。
ランサー MRは三菱の伝説的スポーツグレードである「MR」を冠しながら、ランサーエボリューションの影に隠れたかたちで、2000年に6代目にバトンタッチした際に消滅してしまい、いまでは現存数も少ない希少なモデルです。
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現在、日本のメーカーから販売されているNAエンジンのMTセダンは、トヨタ「カローラアクシオ」のみです。カローラアクシオは新型カローラ発売以降もビジネスユースをメインに併売されており、今では国内で唯一のNAエンジン+MTをラインナップするモデルとなってしまいました。
つまり、日本のメーカーで今回紹介したような高性能NAエンジンのMTセダンは、絶滅したことになります。
高性能モデルはターボエンジンが主流となり、今後、高性能なNAエンジンの復活は考えられず、同時にセダンも次々と消えてしまっているため、これらを組み合わせたクルマは二度と現れない可能性が非常に高いです。
もはや中古車でしか手に入らない状況ですが、シビックタイプRのように価格が異常なほど高騰してしまったモデルもありますから、ほしいという人は急いだ方がいいかもしれません。
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