今では数少ない国産ホットハッチ! ターボエンジンを搭載した高性能コンパクトカー3選

トヨタから大出力のターボエンジンを搭載した、スーパーコンパクトカーの「GRヤリス」が販売されていますが、特別に仕立てられた特殊なモデルといえます。一方で、かつてそこまで過激な性能ではありませんが、ターボエンジンを搭載したホットなコンパクトカーが存在。そこで、少し前まで販売されていた、ターボエンジンを搭載した高性能コンパクトカーを3車種ピックアップして紹介します。

高性能なターボエンジンを搭載したホットなコンパクトカーを振り返る

 2020年9月に、トヨタはスーパースポーツカーの「GRヤリス」を発売しました。ボディはベーシックなコンパクトカー「ヤリス」のシルエットながら別物で、大きく張り出したフェンダーや、戦闘的なイメージのフロントフェイスも専用にデザインされています。

今では希少な存在となったターボエンジンの国産ホットハッチたち
今では希少な存在となったターボエンジンの国産ホットハッチたち

 エンジンは最高出力272馬力を発揮する1.6リッター直列3気筒ターボを搭載し、駆動方式はトルク可変型のフルタイム4WDを採用。

 GRヤリスはラリーに勝つために開発された特別なモデルで、まさにメーカーが仕立てたワークスチューニング・マシンです。

 さすがここまで過激な性能のコンパクトカーは少数派ですが、かつては日本でも高性能なターボエンジンを搭載するコンパクトカーが散見されていました。

 そこで、少し前まで販売されていた、ターボエンジンを搭載したホットなコンパクトカーを3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「コルト ラリーアート バージョンR」

三菱の本気度がうかがえた高性能モデルの「コルト ラリーアート バージョンR」
三菱の本気度がうかがえた高性能モデルの「コルト ラリーアート バージョンR」

 2002年から2012年まで生産されていた三菱のコンパクトカー「コルト」は、1.3リッターから1.5リッターエンジンを搭載する、ベーシックな世界戦略車として開発されたモデルです。

 そして2006年、このコルトをベースに当時、三菱のモータースポーツ活動を担当していた関連会社「ラリーアート」の名を冠したスポーツモデル、「コルト ラリーアート バージョンR」が、追加ラインナップされました。

 外観はスポイラー付きのフロントバンパー、ディフューザー形状のリアバンパー、エアアウトレットが開いたボンネット、オーバーフェンダー、ルーフスポイラーなどが装着され、コルトを戦闘的なフォルムに仕立てています。

 搭載されたエンジンは最高出力154馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒ターボで、組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTが設定されていました。

 このパワーに対応するためシャシも強化され、各部に施されたスポット溶接の増し打ちと補強により、ねじり剛性はベースに対して約30%向上。

 足まわりはフロントがストラット、リアがトーションビームに変更はありませんが、強化スプリングの装着やショックアブソーバーの減衰力をアップすることで、高いコーナリング性能を発揮しました。

 また、あくまでもファミリーカーではなく、スポーツモデルであることを強調するように、乗車定員も4人に改められています。

 コルト ラリーアート バージョンRは本格的なホットハッチでしたが、フルモデルチェンジすることなく、コルトの生産終了をもって消滅してしまいました。

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●ダイハツ「ブーンX4」

競技車両のベースに開発されたピュアスポーツモデルの「ブーンX4」(画像は「ハイグレードパック」)
競技車両のベースに開発されたピュアスポーツモデルの「ブーンX4」(画像は「ハイグレードパック」)

 現在、ダイハツはモータースポーツ活動をおこなっていませんが、かつてはラリーやダートトライアルへの参戦するドライバーを積極的にサポートしていました。

 そのための競技車両として「ミラX4」や「ストーリアX4」を開発し、2006年には最後のモータースポーツベース車となる「ブーンX4」を発売。

 ブーンX4は、トヨタと共同開発したベーシックなコンパクトカーである初代ブーンをベースに、クラストップの最高出力133馬力を誇る936ccの直列4気筒DOHCターボを搭載。駆動方式はフルタイム4WDを採用し、トランスミッションはクロスレシオの5速MTのみです。

 足まわりも専用にチューニングされ、前後スタビライザーやスポーツサスペンション、機械式フロントLSDを採用し、980kgという軽量な車体と相まって高い運動性能を実現しています。

 外観は控えめなエアロパーツが装着されるにとどまっていますが、エアダクトを有するボンネットがただ者でないことを主張。

 内装もシンプルで、8000rpm付近からレッドゾーンとなる専用タコメーターが装着されたくらいです。

 ブーンX4は快適装備を省いたモータースポーツベース車のほかに、普段使いに必要な装備が充実した「ハイグレードパック」も用意され、公道でも走りが楽しめるスポーツコンパクトとなっていました。

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