ブガッティ「ボライド」の最高速500キロの謎が判明! ヒミツは3Dプリントにあり
F1並みの速さを手に入れたブガッティ「ボライド」の1号車が完成したばかりだが、徐々にボライドのテクノロジーが明らかになりつつある。W16気筒エンジンを搭載しているにも関わらず、わずか1240kgという車重に抑えられたヒミツとは。
航空宇宙産業の技術が「ボライド」に
ブガッティが発表したサーキット走行専用車の「ボライド」には、現在彼らがもつ最先端技術のすべてが採用されているといってもよい。
そのなかでもとくにブガッティが強調するのは、リアミッドに1850ps仕様のW型16気筒4ターボエンジンを搭載しながら、車重をわずか1240kgに抑え、0.67kg/psという驚異的なパワー ウエイト レシオを実現したことである。その結果、最高速度は500km/h以上、完璧ともいえるハンドリングで類い稀な敏捷性も手に入れた。
「ボライドで実現した多くの技術的ハイライト、とくに軽量化技術は、現在ではたしかに特別なものであるのかもしれないが、それらは将来的には生産車に移行することができる」
そう語るのは、ボライドの開発プロジェクトとともに、ブガッティの新技術責任者に任命された、フランク・ゲッケである。
まず、鉄筋コンクリートの柱と同じくらいの強度をもち、かつ超軽量な部品を想像してみて欲しい。革新的なブガッティのエンジニアが率いる技術のおかげで、これが可能になったのだ。
その新しいプロジェクトは、2017年から金属材料とその製造プロセスを開発しているヘンリック・ホッペによって主導された。彼は、ブガッティの新技術部門に属し、また博士課程の学生でもある。
彼は3Dプリンターによってチタン製のブレーキキャリパーの計算方法論に関する修士論文を書いたが、この段階ですでにそれは、「シロン」よりも43%も軽く、そして同じレベルの剛性が確保されていた。
「一般に3Dプリンティングと呼ばれる選択的レーザー融解プロセスを通じて、内部から硬く仕上げられた新しい中空の複雑な部品を、非常に軽量に、また硬く作り出すことができます。
私たちは、ハイパーカーのコンポーネントの数を増やすことで、これらの利点を利用しています」と、ホッペは語る。
博士課程の研究では、エンジニアはさらに高度な領域へと研究を進めることとなる。ホッペはコンセプトからデリバリーに至るまで、製造プロセス・チェーンのサイクルに伴うコストと時間の関係を考慮した、新しいシステムを開発している。
これまでは、これらのタイプの部品はおもに航空宇宙産業で使用されていたが、ホッペらの努力の結果、自動車でも特定の部品で用いる可能性が高くなった。
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