EVまだ早い? トヨタ「シーポッド」にマツダ「MX-30 EV」と電気自動車次々登場 充電問題は解決するか

2020年にホンダ「ホンダe」やトヨタ「C+pod」。2021年にはマツダ「MX-30 EV MODEL」、日産「アリア」が相次いで登場するなど国産EVの新車ラッシュとなっていますが、かねてから充電時間や航続距離などの課題は山積みでした。今後、EVが普及するにはどのような対応が必要なのでしょうか。

EVは環境に良いというが…充電問題が不安要素?

 2021年1月28日にマツダはコンパクトSUV「MX-30」のEVとなる「MX-30 EV MODEL」(以下、MX-30EV)を発売しました。
 
 各社から続々と登場するEVですが、現時点ではどのようなラインナップが存在し、課題となる充電インフラはどうなっているのでしょうか。

トヨタが165万円からという価格設定で発売した新型EV「シーポッド」。個人向け販売は2022年に予定しているという
トヨタが165万円からという価格設定で発売した新型EV「シーポッド」。個人向け販売は2022年に予定しているという

 国産EVは、2010年に日産「リーフ」と同時期に三菱「i-MiEV」が登場。そして、三菱「ミニキャブMiEV」(2013年)や日産「e-NV200」(2014年)、2代目リーフ(2017年)などが登場した後、2020年には、ホンダが10月30日に「ホンダe」、前述のMX-30EV、2021年中頃には日産「アリア」と、一般ユーザー向けのEVが続けて日本市場に投入されます。

 また、トヨタは軽自動車(超小型モビリティ)「C+pod(シーポッド)」を、2020年12月25日に法人や自治体向け限定で販売を開始。個人向けを含めた本格販売については、2022年を目途に開始する計画だといいます。

 このように、さまざまなボディタイプのEVが登場していますが、昨今のユーザーはEVにおいて1回の充電で走行可能な距離を重視している傾向にあります。

 現在、公表されている各EVの航続距離(WLTCモード)ではリーフの40kWh仕様322km、62kWh仕様が458km。MX-30EV(35.5kWh)は256km。 

 一方で、都市型コミューターのホンダe(35.5kWh)では、259kmから283km。さらに、近隣移動をメインとするシーポッド(9.06kWh)が150kmです。

 また、2021年中頃に発売予定のアリアは2WDモデルの65kWh仕様が450km、90kWh仕様が610kmとなり、4WDモデルの65kWh仕様が430km、90kWh仕様が580kmと大容量バッテリーを搭載するため航続距離も従来のガソリン車並みとなります。

 これらのように同じEVでもコンセプトによって、バッテリー容量や航続距離は異なり、一概に比較は出来ないことがわかります。

 しかし、ユーザーが航続距離を重要視する背景には、従来のガソリン車と違いガソリンスタンドと充電スポット、給油時間と充電時間で大きな差があることが要因としてあります。

 一般社団法人 次世代自動車振興センターによると2020年3月時点の充電スポットは全国に約1万8000箇所となり、ガソリンスタンドの約6割に匹敵するといいます。

 設置場所は、自動車販売店やSA/PA、道の駅、商業施設など身近な場所にあるものの、1回あたりの充電時間は急速充電を使った場合30分で80%というのがほとんどです。

 ガソリン燃料であれば、多くても5分ほどで給油時間は済みますが、充電の場合30分から60分掛けて80%と不安要素は残るほか、EVが普及するにつれ充電待ちの渋滞が発生します。

 現時点でもリーフオーナーなどからは、「PHEVが充電したままどこかに行って帰ってくるまで1時間くらい待った」というような充電時間やマナーに関する課題が聞かれます。

 では、今後の日本におけるEV市場はどうなるのでしょうか。国産メーカーのパワートレイン開発者は次のように話します。

「乗用車ならび商用車のEVは、世界的な電動化によってラインナップは拡充すると思います。

 さらに、2、3年後には従来のリチウムイオン電池よりも大きく性能が向上する全固体電池が実用化され、搭載されるモデルも出てくるでしょう。

 全固体電池の充電時間はリチウムイオン電池よりも大幅に短縮出来るといわれています。

 そうなると問題となるのが、リチウムイオン電池を搭載するEVと全固体電池を搭載するEVが街中の充電スポットで混在することです。

 充電時間の問題において30分以上掛かるEVと10分ほどで終わるEVがあることで、新たなトラブルに発展する可能性もあります。

 そのため、充電スポットを増やすことはもちろんですが、異なる充電性能を持つEVが混在することを予想して充電方法のルール化をすることで、効率的なEVインフラが整うのではないでしょうか」

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2件のコメント

  1. 最近のEVのバッテリーは大容量化していますが、基本的には40KW程度のバッテリーを搭載していれば充分です。
    家庭での普通充電3KW×8時間ですから、一晩で24KWしか充電できません。6KW充電でも48KWです。
    24KW充電できれば、電費5km/KWで120km走れます。
    経路充電する場合、コンビニに設置されている充電器は20KWなので、30分で最大10KWしか
    充電できません。50KWの急速充電器でも、30分で最大25KWです。最近は90KWや150KW級の充電器も設置され始めたようですが、普及にはまだ時間がかかるでしょうし、それでも100KWものバッテリー容量は車重を増やすだけ無駄です。内燃機関車からの乗換えでは、バッテリーが大きいほど安心感を与えられるということでしょうか。
    私はバッテリー容量10.5KWのミニキャブミーブで140km毎日通勤しています。夜間の自宅充電とコンビニ経路充電で、特に不便を感じません。

  2. 昔から議論されてましたが、すべてのバッテリーの規格を統一し、レンタルバッテリーとして、スタンドで、空のバッテリーを取り外し満充電のバッテリーと交換するシステムにするほかない。利権とかいってる場合ではなく、方法はこれしかないのではないか!

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