少しバランスが変じゃない? なぜか外観に違和感が残るクルマ5選

これまで市販されてきたクルマのデザインはさまざまなものがありますが、なかには「バランスが悪い」と感じるデザインのものがあります。機能を押し込んだりしたためにバランスが悪くなったものや、はじめから奇抜なデザインを狙ったものまでさまざまです。そこで、違和感のあるデザインのクルマを5台ピックアップして紹介します。

街で見かけるあのタクシーも、よく見るとちょっと変?

●フィアット「ムルティプラ」

 1998年に登場したフィアット「ムルティプラ」は、5ドアハッチバックのトールワゴンです。

 ホンダ「エディックス」のようにフロント3名、リア3名という座席配置を実現したそのスタイルは、なんとコンパクトカーのホンダ「フィット」とほぼ同じ全長約4mでありながら、全幅は1.9m弱で高級ミニバンのトヨタ「アルファード」級に幅広いという、超ワイドなのにすごく短いという違和感のあるボディサイズでした。

 ボディサイズもそうですが、円形のハイビームをAピラーの根元に配したデザインも非常に個性的で、インテリアも独創的なものに仕上げられていました。

 そのため、多くのユーザーの賛同を得ることはできず、マイナーチェンジで一般的なフロントマスクに変更されてしまいました。

 ちなみに、英国のコラムニストからは「世界一醜いクルマ」に認定されてしまい、短命で終わったのも、その影響があるのかもしれません。

トヨタ「JPNタクシー」。よく見ると前後ドアの窓の上端が揃っていない
トヨタ「JPNタクシー」。よく見ると前後ドアの窓の上端が揃っていない

●トヨタ「JPNタクシー」

 2017年に登場したトヨタ「JPNタクシー」は、「クラウンセダン」をベースとした「クラウンコンフォート」や「コンフォート」の後継で、タクシー専用として開発されたクルマです。

 タクシー専用車のため、パワーユニットはガソリンではなく、1.5リッター4気筒のLPGエンジンにハイブリッドユニットを組み合わせた独自のユニットとなっています。

 また開発にあたりタクシードライバーの意見を多く取り入れ、使い勝手をとことん追求した仕様になっています。

 そのため、比較的コンパクトなサイズながら、乗降しやすいように天井が非常に高くなっています。

 また、乗客の乗り降りに利用する左側の後席ドアは安全性と乗降性を優先して開口部の大きなスライドドアを採用するなど、こだわりの仕様となっています。

 その一方で、天井が高くドアの開口部を大きくとったため、とくにリアウインドウの上端が極端に高くなっており、前後のウインドウのデザインが揃っていません。

 JPNタクシーでよく見られる「深藍」のカラーでは気になりませんが、まれに見られる明るい色のJPNタクシーでは違和感が強くなります。

 デザインで選ぶモデルはないので、実用性重視で良いのですが、ロンドンタクシーのようにカッコよさも内包できると、また違った印象になったのではないでしょうか。

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