なぜ「カーシェア」再注目? コロナで利用者減も再び注目されるワケ
近年、急成長を遂げている「カーシェアリングサービス」は、新型コロナウイルスの影響で2020年春頃には利用者が激減していました。しかし、夏以降は徐々に回復傾向となっていますが、どのような理由で再注目されているのでしょうか。
コロナ禍だからこそ注目されているカーシェアのポイントとは
クルマを借りられるサービス「カーシェア」は、新型コロナウイルスの影響で利用者が激減していましたが、人の往来が戻るにつれ再び注目を集めています。一体どういった理由で注目を集めているのでしょうか。
2020年は新型コロナウイルスの影響により、多くの企業でリモートワークの導入や、不要不急の外出自粛を余儀なくされました。
2020年12月上旬では、以前に比べ会社に通勤する勤務スタイルや、感染対策を徹底したうえでの外出など状況は少しずつ戻りつつあります。
ですが、人が密集する電車での移動は感染リスクもあり、避けたいと思う人は多いと思います。
また、以前から東京都心部を中心に公共交通機関が発達している関東近郊では、「若者のクルマ離れ」といった言葉も生まれているほどクルマを持たない人が増えています。
自動車検査登録情報協会が公表している「都道府県別の自家用乗用車の普及状況」によると、2020年3月末現在の1人あたりのクルマの保有率は東京都で「0.224台」となっています。
この数値は、全国平均の「0.484台」と比較しても低い数字であり、保有率は47都道府県を見ても低い値といえるでしょう。
それでも遠出をする際はクルマが必要な場合があり、従来はレンタカーの利用が多く見受けられましたが、「深夜は利用できない」「利用の際に申込が必要」というデメリットがありました。
そんななか、最近「カーシェア」が注目を集めています。
大手カーシェアサービス「タイムズカーシェア」が属するパーク24グループの売上高を見てみると、2018年11月から2019年10月までは、すべての月で前年比100%超えを達成しているのに対し、2019年11月から2020年10月では、2020年3月が前年比89.8%、4月は67.8%、5月は66.5%と、昨年に比べ数値が落ち込んでいます。
これは、2020年4月の、緊急事態宣言によってクルマでの移動が減ったことが原因といえます。
ですが、2020年6月から9月の売上は前年比80%台、10月の売上で前年比91.5%まで回復を見せています。
カーシェアの利用が再び増えている理由として、6月に発表された「GoToトラベルキャンペーン」の影響や、クルマを利用することで新型コロナウイルスの感染リスクが低くなる、といったことが挙げられます。
厚生労働省では、新型コロナウイルス感染を予防するために3密「密閉空間、密閉場所、密室場面」を避けることを推奨しており、電車による通勤は3密の条件が揃っている一方で、クルマでの移動は3密を避け、プライベートな空間を確保しやすいというメリットがあります。
事実、カーシェアに関するアンケートでも新型コロナウイルスを意識してカーシェアを検討する人は増加しています。
園児とママ向けの情報誌「あんふぁん」を展開する株式会社こどもりびんぐが実施したカーシェアについてのアンケートによるとカーシェア経験がない人の56.2%がカーシェアに「興味がある」と回答。
さらに「新型コロナウイルスの影響でカーシェアに関する気持ちが変わったか」という質問に対し、「以前より使用したい気持ちが高まった」と答えた人が27.8%となっています。
カーシェアは新型コロナウイルスを機に、需要が高まりつつあるようです。
大手カーシェアリング業者のスタッフは以下のように話します。
「新型コロナウイルスの影響で『3密』が叫ばれるようになってから、カーシェアに関する問い合わせが増加傾向にあります。
レンタカーの場合、レンタル時間が長く、半日、1日単位でのレンタル利用がほとんどとなり、短い時間に利用したいというニーズには応えられません。
その点、カーシェアであれば短時間での利用が可能で、料金も15分200円台で借りられる手軽さが魅力です。
万が一の事故に対する保険も料金のなかに含まれるため、初期費用と利用料金以外は頂戴しておりません。
24時間いつでも利用可能で、ライフスタイルを問わない点も支持を得ています」
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