EVグランツーリスモ! アウディ「e-tron GT」をカーボンニュートラル生産で開始
アウディは2020年12月9日、同社の電気自動車「e-tron GT」の生産を、ベーリンガーホフ工場で開始したと発表した。カーボンニュートラルな生産を実現したという、製造工程はどのようなものなのだろうか。
ベーリンガーホフ工場におけるカーボンニュートラルな生産
アウディは、同社の電気自動車「e-tron GT」の生産を、ベーリンガーホフ工場で開始した。
e-tron GTは、ハイパフォーマンスと高い環境意識が組み合わせられたクルマである。そして同工場は、高い情熱、優れた精度、革新技術、そして持続可能性のすべての側面を備えており、100%グリーン電力と再生可能なエネルギー源によって生み出される熱を使用することで、完全にカーボンニュートラルな方法で車両が製造されている。
資源の節約に配慮したこの車両製造プロセスでは、紙や梱包材の使用を削減し、アルミニウムおよびプラスチックのクローズドループを活用。さらに、アウディのニューモデルの生産としては初めて、製造プロセス計画段階において実車プロトタイプを使用していないのだ。
アウディの歴史において、市販車の生産準備がこれほど短期間で整ったことはない。
プラントマネージャーであるヘルムート・ステットナー氏は、次のようにコメントしている。
「アウディの製品ポートフォリオにおいて、電気駆動方式とスポーツ性を兼ね備えたモデルであるe-tron GTは、ネッカーズルムの拠点、特にベーリンガーホフのスポーツカー生産工場の特徴と完璧にマッチしていました。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック下においても予定どおりに生産が開始できたのは、これまでに蓄積してきた数多くの能力と、素晴らしいチームワークの結果です」
ネッカーズルムの拠点では、既にプラグインハイブリッド車の生産に焦点が当てられており、「A6」、「A7」、「A8」のプラグインおよびマイルドハイブリッドバージョンにより、アウディの生産拠点のなかでも電動化モデルの割合がもっとも高くなっているのだ。
ステットナー氏は、次のように付け加えた。「e-tron GTは、ドイツ国内で初めて生産されるアウディの電気自動車です。これによって私たちは、未来に向けて次の大きな一歩を踏み出します」
持続可能なのは、このグランツーリスモの駆動コンセプトだけではない。ベーリンガーホフの生産プロセス全体が、完全にカーボンニュートラルなものになっているのだ。
2020年の初めに、ネッカーズルムの生産拠点全体が使用する電力は、すべてグリーン電力に切り替えられている。バイオガスを燃料とする熱電併給プラントは、ベーリンガーホフ工場が車両の生産において必要とする熱を供給してくれるのだ。
さらに、再生可能なエネルギー源の使用に伴ってどうしても避けられないCO2の排出は、認証を受けた気候保護プロジェクトのカーボンクレジットを使用して相殺される。
アウディAG生産およびロジスティクス担当取締役のペーター・ケスラー氏は、アウディが掲げる「Missio:Zero」プログラムの中心的な目標を要約し、次のように述べている。
「ブリュッセルとジェール工場の先例にならい、ベーリンガーホフ工場は、ドイツ国内のアウディ生産拠点として初めて、製造工程の完全なカーボンニュートラル化に成功しました。これはネッカーズルム拠点にとって重要なマイルストーンであり、2025年までに全世界においてカーボンニュートラル化を達成するという道のりにおける重要なステップです」
Mission:Zero環境プログラムは、環境フットプリントを効果的かつ持続的に削減するための生産とロジスティクスにおける様々な対策から構成されており、その焦点は、脱炭素化、資源効率、生物多様性、水の使用に関する革新的ソリューションなどが含まれている。
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