5ナンバー車はないがしろ? デカくなる新型モデル! 小型と軽規格が邪魔をする日本市場の行方

日本独自の規格である「5ナンバー車」。かつては税制優遇などの恩恵も少なくありませんでしたが、グローバル化の昨今ではその存在意義自体が見直されています。なぜ近年では5ナンバー車の存在意義が薄れているのでしょうか。

消えゆく5ナンバー車

 昨今の日本市場では、「5ナンバー車(小型自動車)」の存在意義が薄れているといいます。
  
 かつては税制優遇などの恩恵も少なくありませんでしたが、グローバル化している自動車市場とくに日本では、軽自動車や小型自動車の規格が転換期を迎えようとしています。

日本独自の規格として成長してきた小型自動車(5ナンバー車)と軽自動車(画像はヤリスとN-BOX)
日本独自の規格として成長してきた小型自動車(5ナンバー車)と軽自動車(画像はヤリスとN-BOX)

 現在の道路運送車両法では、普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車および小型特殊自動車に分類されます。

 乗用車の場合、普通自動車は「3ナンバー車」、小型自動車は「5ナンバー車」とも呼ばれ、軽自動車も含めて、それぞれ税制面や有料道路の通行料などで差が出ることがあります。

 普通自動車および小型自動車、そして軽自動車は、基本的には車体寸法と排気量(電気自動車の場合は定格出力)によって規定されています。

 一般的な軽自動車のエンジンが660ccであることはよく知られていますが、これは660ccが軽自動車として認められている排気量の上限だからです。

 一方、普通自動車と小型自動車の違いを明確に説明できるユーザーはかつてほど多くないといわれています。

 小型自動車は「排気量2000cc以下、全長4700mm以下、全幅1700mm以下、全高2000mm以下」であり、それらのうちひとつでも超えると普通自動車として扱われます。

 小型自動車の代表格としては、トヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」、日産「ノート」といったコンパクトカー、トヨタ「シエンタ」「ノア/ヴォクシー」やホンダ「フリード」「ステップワゴン」、日産「セレナ」といったミニバンが挙げられます。
 
 しかし、軽自動車に比べて、小型自動車、いわゆる「5ナンバー車」は近年影を潜めています。

 かつては、前述した売れ筋モデル以外でも、多くの小型自動車がラインナップされていました。

 しかし小型セダンでは、トヨタ「アリオン」や「プレミオ」の生産終了がアナウンスされ、日産「シルフィ」も生産終了していることが明らかになりました。ホンダ「グレイス」も同様です。

 また、前述のミニバンでもグレードによってはエアロパーツなどで全幅が拡大し、3ナンバー車扱いになる例もあります。

 さらに、ヤリスは小型自動車ですが、ヤリスをベースにしたヤリスクロスは全幅が拡大されているため普通自動車扱い、さらにフィットはクロスターというグレードのみ普通自動車扱いと異なるのです。

 このように、メーカーもまたかつてほど「5ナンバー車」を死守しようという姿勢ではないようです。

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