レクサス新型「LS」登場! 後世に語り継がれるべきトヨタの歴代高級セダン5選
スポーティな高級セダンの登場と、国産乗用車で唯一無二のエンジンを搭載したモデル
●トヨタ「アリスト」

バブル景気の頃に、初代セルシオや空前のヒット作となった8代目クラウンで成功を収めたトヨタは、次の一手として、それまでと異なるコンセプトの高級セダンの「アリスト」を1991年に発売。
巨匠ジウジアーロが主宰するイタルデザインの手による外観のデザインは、ロー&ワイドを強調したフォルムで、重厚なイメージのセルシオとは明確に方向性を変え、スポーティさを前面に押し出しています。
搭載されたエンジンは全グレードとも3リッター直列6気筒で、自然吸気モデルでは最高出力230馬力、ツインターボモデルでは最高出力280馬力を誇り、このエンジンは後に「A80型 スープラ」にも搭載されたことで、アリストは「スープラセダン」と呼ばれたほどです。
1992年にはセルシオに搭載されていた4リッターV型8気筒エンジンとフルタイム4WDが組み合わされた「4.0Z i-Four」も加わりますが、やはりツインターボモデルが人気で、ハードなチューニングのベース車としてもてはやされました。
足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、軽量・高剛性のボディと相まって優れた操縦性や直進安定性、快適な乗り心地を実現。
そしてなによりも、アリストの大きな魅力は暴力的と評された加速性能で、多くの人を魅了しました。
●トヨタ「センチュリー」

トヨタの最高峰に位置するセダンといえば「センチュリー」で、2018年に21年ぶりとなる現行モデルがデビューしたことが大いに話題となりました。
センチュリーはショーファードリブンカーですから、静粛性や乗り心地のよさ、そして余裕あるパワーが欠かせません。そのため、1967年に登場した初代にはV型8気筒エンジンが搭載されました。
初代センチュリーは30年もの長きにわたって販売され、多くのVIPに愛されてきましたが、さすがに基本設計の古さは否めず、1997年に2代目が登場。
そして、2代目には日本の市販乗用車としては史上初で唯一の、V型12気筒エンジンが搭載されました。
センチュリー専用に開発された5リッターV型12気筒DOHCエンジンは、最高出力280馬力と控えめなパワーでしたが、片側6気筒ずつを別々に制御することが可能なように設計されおり、片方の6気筒に不具合が生じても、もう片方の6気筒が機能して走行し続けられるようにされ、まさに要人のためのクルマに相応しいエンジンです。
外観は初代を踏襲していますが各部のブラッシュアップが図られ、より近代的な印象となり、内装では派手さは押さえつつも豪華さを演出する意匠で、後席のVIPをもてなす工夫が随所に施されています。
国内唯一の乗用車用V型12気筒エンジンは、現行モデルが登場して際に5リッターV型8気筒エンジン+モーターに移行したことで消滅してしまいました。
しかし、天皇陛下がお乗りになる御料車の「センチュリーロイヤル」にはこのV型12気筒エンジンが搭載されており、まだまだ活躍し続けることになるでしょう。
※ ※ ※
今回、紹介した高級セダンのなかで、一番印象深いのが初代セルシオではないでしょうか。
高級車の概念を変えたともいわれ、60km/h以下で走っているとエンジンの存在を忘れるほどの静粛性であったり、アイドリング中のエンジンの上にコインを立てることが可能だったという逸話も残っています。
意外だったのが価格で、1989年当時、初代セルシオは455万円から620万円(東京店頭価格、消費税含まず)と、現在の水準から考えるとかなり安価です。
もちろん、装備や貨幣価値の違いもあって現在のモデルと一概には比べられませんが、同年代のカローラの上級グレードに対して3倍ほどの価格で買えたのは、かなりのバーゲンプライスに思えます。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。

























