クルマが政治利用された時代があった!? いま見てもカッコいい海外生産車3選
三菱「スタリオン」の弟分として開発されたスタイリッシュなクーペとは
●三菱「エクリプス」
三菱は1985年に、クライスラーと提携して「ダイヤモンドスター・モーターズ(現、三菱モーターズ・ノース・アメリカ)」をアメリカに設立。
ダイヤモンドスター・モーターズ設立は、よりアメリカ市場のニーズにマッチしたクルマの開発をおこなうことを目的とし、1989年には同工場で生産された初代「エクリプス」が発売されました。
エクリプスはアメリカ市場向けに企画・開発された3ドアハッチバッククーペで、当時、日本で販売していたセダンの6代目「ギャラン」がベースです。
外観はリトラクタブルヘッドライトを採用した流麗かつスポーティなフォルムで、トップグレードの「GSR-4」には200馬力を誇る2リッター直列4気筒ターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせ、生粋のスポーツカーに仕立てられていました。
初代エクリプスは1990年に日本でも販売を開始。内装は左ハンドルのままで、当時アメリカの法規に則って採用されていた、イグニッションキーをオンにすると自動的にシートベルトが装着される、電動フロントシートベルトを国内モデルで初めて装備していました。
その後、1994年に2代目が登場し、2004年から3代目のオープン仕様「エクリプススパイダー」のみが日本に輸入されましたが、ニーズの低下から4代目以降は販売されませんでした。
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今回紹介した3台はすべてアメリカ製のモデルで、1970年代から1990年代に日米間で大きな問題となっていた貿易摩擦の解消という政治的な背景もあり、アメリカ製のクルマが輸入されたということです。
その後、現地生産の拡大によって貿易摩擦の問題はあまりクローズアップされなくなり、現在に至ります。
面白いのは、近年、アメリカで日本専売車が人気となり、日本で1980年代から1990年代に生産されたモデルの中古車が、大量にアメリカへ輸入されていることです。
あれほど過激なジャパンバッシングがおこなわれた頃を思うと、考えられない現象ではないでしょうか。
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