高速道路の「非常電話」どう使う? 携帯普及でも必要な存在? 違いはどこに
クルマでのトラブルは日常的に起こり得るものです。なかでも、高速道路では一般道と環境が違いパニックになる可能性が高いといえます。そんなときに、役に立つのが各所に設置されている「非常電話」です。一方で昨今は携帯電話が普及しているため、以前よりも存在意義が薄れているのではないか、という声もありますが、非常電話は今後も存続するのでしょうか。
覚えておきたい、非常電話の使い方
高速道路の路側帯などでよく見かける非常電話。教習所で習うことはほとんどなく、いざというときに使い方が分からないという可能性もあります。その正しい使用方法や、携帯電話との違いは何なのでしょうか。
高速道路には、電話のマークや「SOS」が目立つ非常電話が設置されています。
本線上だけでなく、トンネル内、インターチェンジ、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)、バス停、非常駐車帯と高速道路のあらゆる場所に設置されています。
また、本線上の設置間隔は、NEXCO各社(東日本・中日本・西日本)の場合、通常1kmおき、トンネル内は200mおきに設置されており、もしものときでも少し歩けば非常電話にたどり着けるようになっています。
海外の高速道路でも非常電話が設置されているケースは多く、ドイツのアウトバーンには事故時に関係者による通報ができるように道路脇に設置されています。
走行中にトラブルが発生したときに助けを呼ぶものであることはひと目で分かりますが、どのように使えば良いのか分からない人もいるかもしれません。
では、非常電話の使用方法はどのようになっているのでしょうか。
まず、事故直後は通報ではなく、安全確保が最優先です。絶対に道路上を歩きまわらず、ハザードランプや発煙筒、車載の停止表示器材などを使って後続車に事故を知らせましょう。
それが終わったら、必ず安全な場所に避難してから通報します。非常電話のもとへ移動する際も、安全なルートを通りましょう。
その後の非常電話の使用や、携帯電話との使い分けについて、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
――非常電話の使用方法を教えて下さい。
まず、非常電話BOXの蓋を開け、受話器を取っていただくだけで一部の非常電話を除いて係員につながります。
また、会話が不自由な人や、日本語が話せない人のために、「故障」「事故」「救急」「火災」の緊急状態をイラスト、日本語、英語で表示したボタンを備えたものも設置されています。
ですので、受話器をあげ、ボタンを押していただければ「何が、どこで起きているか」が係員に伝わるようになっています。
NEXCO中日本管轄の高速道路であれば、管内に4箇所ある「道路管制センター」の係員(24時間365日常駐)に繋がり、料金は不要です。
──非常電話と携帯電話の使い分けはどうしたらよいでしょうか。
携帯電話では『#9910』(通話料無料)にダイヤルし、走っている道路をガイダンスにそって選択いただくと、非常電話と同じ道路管制センターの係員につながります。
非常電話までたどり着けない場合は携帯電話から「#9910』におかけ下さい。運転中の場合にはトラブルがあっても携帯電話の使用は法律で禁止されていますので、同乗者がいれば同乗者に通報をお願いしてください。
また、非常電話は、受話器をあげるだけでどの位置の非常電話から通報されているかが分かりますので、気が動転してしまってうまく伝えられない場合でも、「どこから」通報されているかを把握することができるのが携帯電話との違いです。
携帯電話が普及していますが、現在のところ非常電話を減らすことは考えておりません。
※ ※ ※
高速道路を運転していると必ず見かける存在の非常電話ですが、その使い方をきちんと理解することで、万が一のトラブルでも慌てず対応出来ます。
また、携帯電話での通報は、かならず安全な場所に停止してからか、同乗者が代わりに連絡するように心がけましょう。
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