高速道路の「非常電話」どう使う? 携帯普及でも必要な存在? 違いはどこに
「携帯電話があるから安心」ではない?
とても便利な非常電話ですが、それでも携帯電話で十分なのではと感じる人も多いのではないでしょうか。
事故や故障が起きたときでも、110番をすれば対応をしてくれるほか、携帯電話からでも無料で通報できる全国共通の道路緊急ダイヤル「#9910」でも連絡が可能です。どの方法も24時間365日常駐です。
では、事故時に非常電話が推奨されているのはどのような理由があるのでしょうか。
まず、非常電話の利点は「電波に左右されない」ところです。携帯電話は場所を選ばずすぐに連絡ができますが、トンネル内や山間部など電波が届かない場所では使用することができません。
また、前述のとおり非常電話は受話器を取った時点で、「位置情報」が管制センターに通知されます。
周囲に特徴のない場所でも確実な場所が伝えられるのは、事故でパニックになっている場合でも安心です。
さらに、90dB以上の騒音で声が聞き取りにくいトンネル内には、骨伝導式非常電話が設置されているところもあります。

非常電話の重要性について、とある警察署の交通課職員は以下のように話します。
「過去に実際にあった事例では、事故によって携帯電話が破損してしまったため非常電話から連絡をしたという人がいらっしゃいました。
携帯が粉々になって一瞬パニックになったそうですが、非常電話を見つけて落ち着いて連絡ができたと安心されていました。
高速道路での事故は、とくにパニックになりやすいです。携帯の画面を見ながら道路上を歩いてしまって、後続車にぶつかりそうになったという事例もありました。
もし可能であれば、落ち着いて周囲を見ながら、非常電話を使用するほうがシンプルで安全な方法といえます」
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非常電話が遠い場合は携帯電話のほうが便利に感じるかもしれませんが、非常電話は「高速道路でのトラブル時専用」に設置されただけあって、多くのメリットがあるようです。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。













