なぜ自動車メーカーはSUVに注力? いまや価格差約4000万円も 日本と世界のSUV事情とは

ふたつめの要因は「世界で共通することのコスト減」

 SUVに注力するのは国産メーカーに限った話ではありません。昨今では、高級ブランドとして知られるランボルギーニやロールスロイス、ベントレー、アストンマーティンなどが続々と高級SUVを投入しています。

 これは、2002年に登場したポルシェ「カイエン」から高級SUVジャンルが確立され、その後多くの海外ブランドから大小さまざまなSUVが登場したのです。

 高級SUVが流行った背景には、従来の高級車はセダンやクーペが主流で、余裕のある移動には適していないことがありましたが、高級SUVが出てきたことでステータス性を保ったまま居住性が高い移動が可能になったことが考えられます。

 また、昨今の日本でもフォルクスワーゲンは「T-クロス」「T-ロック」を相次いで導入。さらに、メルセデス・ベンツは「GLA」をフルモデルチェンジし、新たに「GLB」を発売しています。

 一方で、トヨタは日本で発売したヤリスクロスやハリアーを欧州や北米でも展開。2019年4月に約3年ぶりに日本市場に復活した「RAV4」は先代モデルが北米市場で販売されていたなど、いまやSUVはほかのボディタイプと比べてグローバル展開されることが多いのです。

 SUVと逆転現象が起きているのが、セダンやミニバンです。北米市場ではセダンの販売台数が落ち込んでおり、2018年4月にはフォードが同市場でのセダンの販売から撤退すると明らかにしています。 

 また、ミニバンにおいても北米市場ではかつてほどの需要は無く、そのポジションを3列シートSUVが奪う形でシェアを伸ばしています。

ミニバンの代わりに北米市場では3列シートSUVが人気。(画像はトヨタ・ハイランダー)
ミニバンの代わりに北米市場では3列シートSUVが人気。(画像はトヨタ・ハイランダー)

 SUVは、グローバルで展開しやすいボディタイプといえ、自動車メーカーとしても「選択と集中」が求められるなかで、注力しやすいジャンルなのです。

 昨今のSUV事情について、国産自動車メーカーの関係者は次のように話します。

「軽自動車は日本がメイン、コンパクトカーは日本や東南アジア、欧州がメイン、セダンは東南アジアなどの一部で需要があるといったようにボディタイプによって、地域差が存在します。

 しかし、SUVに関してはどの国や地域でもある程度の販売台数が見込めるため、グローバルで展開しやすく、メーカーとしても力を入れざるを得ない現状があります。
 
 また、最近ではボディサイズのバリエーションやさまざまな性能・技術が進歩しているため、かつての『背が高く大柄なSUV=運転しづらい』ということは無くなっています。

 さらに、日本の道路事情から東南アジアの悪路、北米や欧州の長距離移動など、さまざまな路面に対応できるため、必然的に世界的に需要が高くなっているのも、影響しています」

※ ※ ※

 このように、日本では年々変化する家族事情による要因が考えられましたが、世界に目を向けると各自動車メーカーが抱える「選択と集中」とは異なる、共通することでのコストの削減が実現出来るのがSUVなのです。

 2020年9月現在、日本では軽自動車のスズキ「ジムニー」の148万5000円からロールスロイス「カリナン」の4008万円(コーンズでの価格)とその価格差は3800万円以上もあり、身近な存在でもありつつ、憧れの存在でもあります。

 SUVは世界で定番化した無くてはならない存在だといえます。

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1件のコメント

  1. 編集長さま

    こちらのライターさんの
    文章構成、組み立てが全て、
    冗長表現に感じてしまい残念ながら、
    内容が理解出来なくなりました。

    御社のキュレーションサイトを含めて全て
    オプトアウトを希望しますが、
    手順をご案内していないのであれば、
    インターネット業界のスタッフの方に、
    どうなっているのでしょうか。
    と、
    聞いてみます。

    お手数をお掛けしますが、
    宜しくお願い申し上げます。

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