乗ってわかった ミシュランの最新スタッドレス「X-ICEスノー」の進化とは
今シーズン、日本ミシュランタイヤから新たに登場したスタッドレスタイヤが「X-ICE SNOW(エックスアイス・スノー)」だ。2020年2月に北海道で開催された試走会で、その進化ぶりを体感してきた。
アイス制動性能は9%、スノー制動性能は4%向上
ミシュラン「X-ICE SNOW(エックスアイス・スノー)」は、2020年6月に発表、8月から販売が開始された最新スタッドレスタイヤだ。
その特徴は、アイス路面だけではなく、降雪時のスノー路面、さらに雪が溶けたあとのウエット路面やドライ路面など、日本の冬に登場するさまざまな路面の環境下において、高いレベルの性能を発揮することを目的として開発されたことだ。
「ミシュラン・トータル・パフォーマンス」とは、すべての性能を犠牲にしないというミシュランのタイヤづくりの考え方なのだが、今回登場したエックスアイス・スノーという名前からも、あらゆる冬道でパフォーマンスを発揮するという、その思想が見て取れる。
サイズラインナップは、14インチから22インチまで計84サイズ、価格はオープンとなる。乗用車用のほか、SUV用の「エックスアイス・スノーSUV」も用意している。
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まずは新スタッドレスタイヤに搭載された技術を見ていこう。
コンパウンドには、あらたに「エバー・ウインター・グリップ・コンパウンド」が採用されている。
これは従来品よりも剛性の高いポリマーベースの材質をコンパウンドに配合、ベースコンパウンドとの摩耗差により細かい凹凸を作り出すことで、エッジ効果と水膜を破って接地するアイスグリップ性能を高めている。さらに雪上では雪踏み効果を発揮、摩耗しても接地面の凹凸は再生され続けるため、高い性能が長く続くという。
トレッドパターンも変更された。新世代「Vシェイプトレッドパターン」は従来よりもサイプの長さを28%増加することでエッジ効果を強化、アイスグリップ性能を向上しながら、シャーベット路面やウエット路面で効率よく雪や水を排出し、安定したグリップを発揮する。
また、プラットフォームよりも深く刻まれた「フルデプスサイプ」により、履き替え時までトレッドパターンを維持。さらにエバー・ウインター・グリップ・コンパウンドを溝底部まで採用することで、スタッドレスタイヤの使用限界末期(50%摩耗)になってもトレッドブロックがしなやかさを保ち、アイス性能が長期間継続する。
これらの効果により、従来品の「エックスアイス3+(プラス)」と比較して、アイスブレーキング性能は9%、雪上ブレーキング性能は4%、それぞれ向上しているという。
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