乗ってわかった ミシュランの最新スタッドレス「X-ICEスノー」の進化とは
スノー路面でも安定した走りが可能
試走会が開催されたのは北海道・士別市にある「交通科学研究所 士別テストコース」。ここは、ミシュランのスタッドレスタイヤ開発の拠点となる場所だ。
まずは屋内ドームにて、アイス路面のブレーキング性能を確認する。試走車はVW「ゴルフ7」で、タイヤサイズは205/55R16。30km/hまで加速してフルブレーキングをおこない、新タイヤと従来タイヤの制動距離の違いを試す。
ここでは3回ずつテストしたが、どれも新タイヤのほうが手前で止まった。従来のエックスアイス3+も、他メーカーのスタッドレスタイヤに比べてもアイス性能はいまだに高いレベルなのだが、それでも新しいエックスアイス・スノーのほうが必ず手前で止まる。
加速/制動ともに新タイヤのほうが氷を掴んでいるのが体感できるほど。「ギュッ」いう感覚が力強くなっている。アイスブレーキング性能は9%向上ということだが、体感的にはそのデータよりも、もっと止まる感覚があった。
次にスノースラロームコースでハンドリング性能を試す。試走車はレクサス「RX」で、タイヤサイズは235/55R19だ。
新タイヤは、とくに横グリップが従来品よりも向上しているのがわかる。ESCを解除して左右にクルマを振ってみても、安定志向はかわらず、わかりやすいグリップ力で安心してドライビングが可能だ。グリップ限界を超えても滑り出しが穏やかで、常に安心して運転できる。
一般道での走行機会もあった。試走車はトヨタ「クラウン」で、タイヤサイズは215/55R17になる。
2月の北海道、それも雪の多い士別市の一般道といえば、圧雪路ばかりの印象があるかもしれないが、じつはそこにはさまざまな路面が登場する。
テストコースを出てしばらくはスノー路面だが、国道239号線に入るとシャーベット路面、日が当たっている路面はドライだったりウエット路面だったりと、本当に目まぐるしく変化していく。また日陰には、ウエット路面に見えるブラックアイスバーンが隠れていたりと、さまざまな路面が登場する。
そんななかでもエックスアイス・スノーを履いたクラウンは、安定した走行を続ける。路面状況が目まぐるしく変わろうとも、アイスバーンがあろうとも、急にグリップが抜けたり急に電子制御デバイスが働いたりするようなことがなく、常に安心して運転ができた。
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ここ数年、「オールシーズンタイヤ」の人気が高まっている。とはいえ日本では、ウインタータイヤのなかではまだ全体の10%に満たず、その販売本数のほとんどはスタッドレスタイヤになっている。
スノー路面ならばともかく、アイス路面ではスタッドレスでないと止まることができない。とくに北海道など降雪地域の場合には、ウインターシーズンは必ずスタッドレスタイヤの装着が必要になる。
ミシュランといえば、一般的には「海外のタイヤメーカー」というイメージを持つ人が多いが、じつはスタッドレスタイヤの研究・開発拠点は群馬県・太田市にあり、テストコースはここ北海道・士別市にある。つまり、ミシュランのスタッドレスタイヤは、日本の路面を徹底的に分析、研究して誕生している、日本生まれのタイヤなのだ。
じつはスタッドレスタイヤを日本ではじめて販売したのもミシュランだ。いまから38年前、1982年に登場した「XM・S100」がその歴史のはじまりとなる。
そんな38年間の歴史の積み重ねから生まれた新スタッドレスタイヤ、エックスアイス・スノーは、どんな冬の路面にも対応するオールマイティさが魅力だ。
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