ついに1万台「アヴェンタドール」!! ゲームチェンジャー5選
「アヴェンタドール」にもあった、アートカー仕様とは?
2016年にアヴェンタドールの第2章の幕が上がった。チーフデザイナーはミティア・ボルケルトに変わり、細部にデザインの手直しが施された「アヴェンタドールS」に進化したのである。
●Game Changer 04:2016 アヴェンタドールS
アヴェンタドールSでは、最高出力は740psにまで引き上げられ、フロントバンパーの意匠だけでなく、リアの左右エアインテークは固定式に改められるなど、エクステリアが一新した。
最大のトピックは、後輪操舵システムを採用したことだ。さらに可変ステアリングLDS、サスペンションには磁性流体ダンパーが採用されるなど、乗り味において洗練度が増している。
また、ドライビングモードはそれまでの「ストラーダ」、「スポルト」、「コルサ」といった、予め設定されたエンジンの出力特性、トランスミッション、ステアリング、サスペンションの組み合わせだけではなく、それぞれを自ら好きな設定に選ぶことができる「EGO」モードが加わった。
●Game Changer 05:2018 アヴェンタドールSVJ
ネーミングの「SV」は、「スーパーヴェローチェ」を意味し、これに「イオタ(Jota)」の一文字をとって、「SVJ」となった。
ニュルブルクリンクで当時市販車最速となる6分44秒97をマークしたことで話題になった。
最高出力は770psにまで高められ、マフラーなどの排気系にチタンを採用するなど積極的に軽量化が図られ、車両重量はアヴェンタドールSから50kgも軽い1525kgとなった。
また、可変空力システム「ALA2.0」が採用された。フロントスポイラーのセンター部に電動で開閉するフラップ、リアウイングのセンター付け根にもエアインテークが設けられ、電動フラップが備わる。走行状態に応じてフラップの開閉度合いをコントロールすることで、ダウンフォースやトラクションを可変させるシステムである。
アヴェンタドールSVJは、クーペが900台、ロードスターが800台限定となる。また、クーペ/ロードスターそれぞれ63台限定の特別仕様車「SVJ63」も作られた。
●さらにもう1台:2019 スカイラー・グレイ・アヴェンタドールS
2019年のモントレー・カーウィークで発表されたのが、ストリートアートのプリンスと呼ばれるスカイラー・グレイがペイントしたアヴェンタドールSである。
もともとアヴェンタドールの彫刻的なボディラインや造形は、アートと称されることもあるが、このボディをキャンパスに見立てて、当時弱冠19歳のスカイラー・グレイがストリートアートのテクニックである、エアブラシ、スプレーガン、ローラー、ステンシルを駆使してポップスタイルの1台に仕上げた作品である。
新しいランボルギーニのペイントショップで、3週間をかけてペイントし完成させたいわばアートカーだ。ストリートアートは本来イリーガルなものだが、このアヴェンタドールSは、まさにストリートをリーガルに走行可能である点が、現代アートの真髄といっていいだろう。
アートカーといえば、元祖ストリートアート出身アーティストであるアンディ・ウォーホルが手掛けたBMW「M1プロカー」が有名だが、ストリートアートとスポーツカーのコラボは相性がよいのかもしれない。
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2011年にローマで開催されたアヴェンタドールLP400−4の国際試乗会に参加した際、当時のCEOであるステファン・ヴィンケルマンは、アヴェンタドールはフラッグシップとして10年耐えうるように最先端の技術を注ぎ込んだ、という旨のコメントをしたのを覚えている。
登場から5年目となる2016年にアヴェンタドールSにアップグレードすることで、現在もライバルに引けを取らない性能をキープしているが、そろそろ登場から10年を迎えようとしている。
このさき、有終の美を飾るSVJに代わるスペシャルモデルが出るのか否か、非常に気になるところではあるが、自然吸気のV12エンジンのみをパワーソースとするモデルとしては最後になるかもしれないだけに、ランボファンとしては手に入るときに手に入れておきたいところだろう。
ただし、生産台数が多いということは、これまでのフェラーリを見ても明らかなように、将来的に価値をキープするのは難しいということでもある。投資目的ならば、SVJ63のような極めて数が少ないモデルを選ぶとよいのかもしれない。
逆に、乗って楽しみたい人には、安く手に入れられる時代が近い将来訪れるかも。それはそれで楽しみだ。
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