メーカーの危機を救った立役者!? 起死回生のヒットとなった車3選
スバルを救ったモデルながら、日本から撤退!?
●スバル「レガシィ」
第二次大戦以前の中島飛行機を源流とするスバルは、戦後の1953年に富士重工としてスタート。1958年には航空機製造で培った技術を生かして開発された「スバル360」を発売し、庶民にとってマイカーを夢から現実にしました。
その後、1971年に、僅かな台数のみでしたが「スバルff-1・1300Gバン4WD」というモデルを生産し、これが、いまも続く水平対向エンジン+4WDの「シンメトリカルAWD」を採用した最初のモデルです。
その後、4WDを悪路走行ではなく、乗用車に搭載して舗装路でも安定して走行できるという使い方を確立したモデルの「レオーネ」を発売しました。
しかし、スバルはスバル360以来のヒット作に恵まれない状況が続き、とくに国内の販売は低迷が続いたことで経営状態は悪化し、1980年代には倒産の危機も叫ばれました。
そこで、レオーネで確立した4WD技術をさらに高めた初代「レガシィ」を1989年に発売。トップグレードには200馬力を誇る新開発の2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを設定し、セダンとステーションワゴンの「レガシィ ツーリングワゴン」をラインナップしました。
駆動方式はフルタイム4WDに加え、パートタイム式、FFの2WDが用意されるなど、幅広いニーズに対応。
当時の時代背景としてスキーブームやアウトドアレジャーの人気が高まっていたことから、高速道路から雪道まで難なくこなすオールラウンダーとしてレガシィは大ヒットを記録します。
とくにツーリングワゴンは、ライトバンとボディを共有する他メーカーのステーションワゴンとは一線を画するスタイリッシュなデザインによって人気となりました。
そのため、各メーカーがハイパワーなエンジンを搭載したステーションワゴンを次々と発売して追従し、ステーションワゴンブームが起こったほどです。
こうして、レガシィのヒットによってスバルの経営は盤石なものとなり、「インプレッサ」や「ヴィヴィオ」など、ヒット作が次々と誕生。
しかし、ブームの火付け役だったレガシィ ツーリングワゴンは2014年に国内販売を終了。セダンの「レガシィB4」も2020年6月22日をもってオーダー受付をストップし、国内販売を終了することになりました。
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バブル崩壊やリーマンショックなどの経済危機は、自動車産業に大きな影響を与えます。
とくに現在は国内の内需だけでは経営が成り立たないため、各メーカーともグローバルで販売していることから、世界的な経済危機は深刻なダメージとなるでしょう。
2020年は予想外の新型コロナウイルス感染拡大によって、世界規模の経済危機となってしまいました。しかし、感染拡大は終息していないものの、徐々に経済状況は回復してきており、各メーカーから新型車も続々と登場。
危機は脱していませんが、わずかな光明が見えてきたのではないでしょうか。