軽自動車でキャンプってアリ!? ウィズコロナで変化するオートキャンプ事情とは

3密を避けながら身近で手軽に楽しめるレジャーとして、オートキャンプが再注目されています。ただし、ここにも“新しい生活様式”に沿ったルールが存在しています。ウィズコロナ時代のキャンパーの傾向やキャンプ場が実施している対策とキャンパーの心得について、オートキャンプ協会に聞いてみました。

おひとり様や軽自動車のキャンパーが増加

 新型コロナウイルス感染症の影響により、多くのオートキャンプ場が閉鎖を余儀なくされていましたが、緊急事態宣言が全面的に解除された後は徐々に再開しています。

ミニバンやSUVじゃなくてもキャンプはできる
ミニバンやSUVじゃなくてもキャンプはできる

 かつて年間1580万人が参加し、大ブームに沸いた1996年は、バブル崩壊後のことでした。それまでの豪華さを求めたレジャーから、自然のなかで身も心も癒されるレジャーとして、オートキャンプが注目されました。

 一方、「ウィズコロナ時代」を迎え、外出規制で「巣ごもり」による反動もあり、ソーシャルディスタンスが確保しやすい屋外で、手軽に非日常が楽しめるということで、オートキャンプの需要が再び高まっているのです。

 日本オートキャンプ協会は2020年7月15日、国内のオートキャンプの状況を分析した「オートキャンプ白書」の2020年版を発行しました。

 それによると、2019年のオートキャンプ参加人口は前年比1.2%増の860万人を記録しました。新型コロナ禍以前のデータですが、この段階においても2012年から7年連続で前年を上回っています。

 そのなかには、「オートキャンプ歴1年」のビギナーが前年比で5.8ポイント伸びていたり、キャンプ場までの移動時間は平均3時間と前年より12分短縮され、加えて軽自動車での利用者が増えているなどの特徴がありました。

 一般社団法人日本オートキャンプ協会事務局長の堺廣明氏は、次のようにいいます。

「近年はテレビやネット動画などでキャンプが取り上げられる機会が多く、キャンプを始める人が増えています。最近は、3密になる状況も少ないとあって、マスコミにも数多く取り上げていただいているので、皆さんの認識が広がって、キャンプを始めてみようという人は増えるのではないでしょうか。

 移動時間については、キャンプの時間を優先する傾向にあると思われますが、現在の移動制限や長距離の移動を控える傾向から、今後は居住県内にある、近場のキャンプ場が注目されるでしょう」

 とくに現在は、県外ナンバーに対して多くの人が敏感になっています。オートキャンプ場は日本全国で1000か所を超えており、東京にも13か所あります。

 もともとキャンプは、わざわざ遠出をしなくても楽しむことができるレジャーです。調べてみると意外と身近な場所で見つけることができます。

 また、ビギナーが増えている点も、これからやってみようと思う人には、肩身の狭い思いをすることなくキャンプを楽しめそうで、うれしい傾向かもしれません。

 さらに「オートキャンプ白書」によると、オートキャンプに使用されるクルマでは、ミニバンが変わらず1位で33.4%。

 続いてステーションワゴン、オフロード型4WD・SUVの上位3つは変わりませんが、セダンに替わって軽自動車が4位(7.2%)に上がってきました。

「以前はキャンプというと、『ミニバンやSUVじゃなきゃ』というのがありましたが、いまは道具もコンパクトになり、なるべく物を減らしてキャンプをやろうという人も増えています。

 ソロキャンプも増えていますが、最近の軽自動車のワンボックスなどは車内が広くなっているというのもあると思います」(堺氏)

 キャンパーの傾向として、「ソロキャンパーが増えた」と回答したキャンプ場が51.7%と、前年比で15.5ポイントも伸びたというデータもあり、ソロキャンプ人気も利用するクルマの小型化を押し上げていると見られています。

 今後は感染予防の観点からも、オートキャンプは大人数ではなく家族や個人など少人数で、近場で、コンパクトなクルマで、といった傾向がますます高まっていくことが予想されます。ミニマムなスタイルで楽しむのが、今流のオートキャンプのスタイルといえるのかもしれません。

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