日本では販売していないスポーツ車もあり!? マイルドハイブリッド車5選
現在、電動車の主流であるハイブリッド車には、さまざまな種類があります。なかでも近年、欧州車や軽自動車などで広く普及しているのがマイルドハイブリッド車です。そこで、これまで登場したマイルドハイブリッド車を5車種ピックアップして紹介します。
着々と勢力を拡大しつつあるマイルドハイブリッド車たち
1997年に、世界初の量産ハイブリッド車のトヨタ「プリウス」が発売されました。その後、他メーカーも追従してハイブリッド車を続々と発売し、現在は電動車の主流です。
ハイブリッド車の定義としては、エンジンとモーターという異なる動力源を搭載していることが挙げられますが、ハイブリッドにもさまざまな種類が存在。
なかでもモーターがエンジンのアシストのみに徹する「マイルドハイブリッド車」は、欧州車や軽自動車、コンパクトカーなどで広く採用されています。
マイルドハイブリッドのシステムは、比較的出力が小さいモーターと、容量の小さいバッテリーで構成されるのが一般的で、軽量かつコンパクトで車両価格の高騰も抑えられるというメリットがあります。
一方で、燃費の向上はEV走行も可能なストロングハイブリッドほどは期待できませんが、小規模な改良で搭載できることから、普及してきました。
そこで、これまで登場したマイルドハイブリッド車を5車種ピックアップして紹介します。
●スズキ「ツイン ハイブリッド」
2003年に登場した2人乗りの軽自動車スズキ「ツイン」。全長は2735mmと極端に短く、最小回転半径が3.6m、車重は600kg程度と軽量なことで燃費も良好です。
そして、軽自動車では初となるハイブリッドモデルを用意していたこともツインの特徴です。
ハイブリッドシステムはエンジンと4速ATのトランスミッションの間に薄型モーターを設置して、バッテリーは12Vのオートバイ用小型鉛電池を16個直列につないでリアに搭載。192Vの電圧でモーターを動かしていました。
燃費は10・15モードで34.0km/Lと、ガソリン車(3速AT)が22km/Lでしたから、50%以上も向上していたことになります。
しかし、ガソリン車のエントリーグレードの価格(消費税含まず)が49万円だったのに対して、ハイブリッド車では129万円と高価で、ガソリン代で価格差を相殺することは現実的ではなく、販売は低迷。
2005年のマイナーチェンジで、ハイブリッド車は廃止されてしまいました。
●トヨタ「クラウン ロイヤルサルーン マイルドハイブリッド」
トヨタ「クラウン」のハイブリッドモデルといえば、いまでこそトヨタ独自のハイブリッドシステム「THS II」を搭載したストロングハイブリッドですが、11代目クラウンが2001年8月のマイナーチェンジの際に登場した、シリーズ初のハイブリッドモデルはマイルドハイブリッドでした。
グレード名も「ロイヤルサルーン マイルドハイブリッド」で、3リッター直列6気筒Eエンジンに最大出力4馬力のモーターを組み合わせ、バッテリーは36Vの20Ahという構成となっています。
モーターはベルト駆動の発電機兼用で、エンジンを始動するスターターの役割も担っていました。
また、アイドリングストップ時にはモーターによってコンプレッサーを動かしてエアコンを作動させるという、高級車のクラウンならではの機能を採用。
なお、燃費は10・15モードで13.0km/Lと、ガソリン車よりも15%ほどの向上に留まっています。
●日産「セレナ」
現行モデルの日産「セレナ」は、シリーズハイブリッドの「e-POWER」と、マイルドハイブリッドの「S-HYBRID」のみとなり、全車ハイブリッド車となっています。
なかでもS-HYBRIDは、4代目セレナの2012年8月のマイナーチェンジの際に追加ラインナップされ、e-POWERの登場までは主力グレードでした。
S-HYBRIDは減速時のエネルギー回収と、回収した電力によるアイドリングストップの頻度アップや停止時間の延長、発進加速時のモーターアシストといった点では、一般的なマイルドハイブリッドと同様です。
しかし、モーター出力は2.6馬力と小さく、「マイクロハイブリッド」と分類されることもあります。
シンプルな構成のS-HYBRIDですが、日産によればハイブリッドシステムの搭載によって室内が狭めることなく燃費を向上させ、ミニバンにふさわしい仕組みとアピール。
発電機とスターターを兼用したモーターを使っていることで、アイドリングストップからのエンジン再始動もスムーズにおこなえ、セルモーターの劣化を気にせず、積極的にアイドリングストップがおこなえました。
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