下火のワゴンで需要総取り? 国産ステーションワゴン減少もトヨタ「カローラツーリング」人気の訳
人気が止まらないトヨタ「カローラ」ですが、なかでもステーションワゴンモデルの「カローラツーリング」が半数を占めているといいます。なぜ下火といわれるステーションワゴンのカローラツーリングが人気なのでしょうか。
ステーションワゴン需要を総取り?ツーリングの「ちょうど良さ」
昨今の新車市場では、国産ステーションワゴンが減少しています。しかし、2019年9月に登場したトヨタ「カローラ(セダン)」、「カローラツーリング(ステーションワゴン)」が好調な販売台数を見せており、なかでも販売比率の半数をカローラツーリングが占めているといいます。なぜ下火となっているステーションワゴンが売れているのでしょうか。
2020年に入ってからも好調な販売を維持するカローラシリーズですが、なかでも最近ではステーションワゴンモデルの「カローラツーリング」の販売割合が高いといいます。
トヨタの新型カローラシリーズは、2018年6月にハッチバックモデル「カローラスポーツ」を投入。2019年9月にはカローラとカローラツーリングを発売しました。
なお、新型モデルとなるカローラとカローラツーリングの発売後も法人需要向けに先代モデルにあたる「カローラアクシオ(セダン)」と「カローラフィールダー(ワゴン)」を併売しています。
新型モデルが登場した2019年の新車販売台数では、上記4モデル合わせて10万4406台を記録。軽自動車をのぞく販売台数ランキングでは4位という好成績となりました。
そして、その好調ぶりは2020年に入っても変わりません。上半期(1月から6月)では、5万7235台を販売しランキング2位に、直近の7月では1万994台でランキング3位と、トップ3の常連車種となっています。
なかでも、ステーションワゴンモデルのカローラツーリングが、3タイプのなかで人気を集めているようです。首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「新型カローラは、カローラツーリングが5割から6割を占め、カローラ(セダン)とカローラスポーツが残りを半数ずつ分けているという状況です。
3タイプは、基本的な走行性能や安全装備、燃費性能に大きな違いはありません。しかし、カローラツーリングが人気な理由には、カローラシリーズのなかでもサイズとデザインのバランスがちょうどいい、といった点が人気です。
とくに、セダンのサイズ感とハッチバックのデザイン性を兼ね備えている、という評価する人が多い印象です。若年ファミリー層は、居住性や積載性は欲しいけどセダンは古くさい、という意見を持っている人が多いので、バランスが良いステーションワゴンを購入する人が多いです。
また、法人登録も多いです。トヨタ車では、これまでカローラフィールダーが商用車として人気でしたが、買い替えのタイミングでカローラツーリングに一新するという企業様もいらっしゃいました。
ステーションワゴンタイプが人気の背景には、SUVやミニバンと比べて、ライバル車が少ないという点も大きいのではないでしょうか。ステーションワゴンが欲しい、それなら安心できるトヨタ車、という流れで店舗へ足を運んでくださる人は非常に多いです」
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カローラツーリングのボディサイズは、全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mm。これは、セダンとほぼ同じサイズとなるものの、ステーションワゴンならではの後席と荷室空間のアレンジの広さがメリットとなっています。
また、販売店スタッフによれば、コロナ禍で社用車を増やす企業は増えているとのことで、法人利用の増加も大きいようです。
カローラツーリングは新型モデルということもあり、社用車として人気の高いカローラフィールダーよりも最新の安全装備がしているため、需要が高まっているといいます。
また、他メーカーの国産ステーションワゴンでは、スバル「レヴォーグ」、マツダ「マツダ6」、ホンダ「シャトル」などが挙げられます。
ただし、エントリーモデル同士の価格を見ると、シャトルが180万8400円(2WD)、カローラツーリングが201万3000円(2WD)。セグメントがひとつ上に分類されるマツダ6は289万3000円(2WD)、レヴォーグ(AWD)が291万5000円です。
セグメントや排気量、各種装備により一概に比較できないものの、ステーションワゴンで選ぶ場合には価格は大きなアドバンテージといえます。
このように価格面やボディサイズ、各種機能面において、カローラシリーズの持ち味である「大衆性」が凝縮されていることも、人気を博している要因です。
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