ガソスタで勧められる「水抜き剤」 いまの車に必要ナシ? それでも存在する理由

それでも水抜き剤が売られている理由

 水抜き剤の販売数減少に、燃料タンクの素材変化が大きく影響していることは事実ですが、それ以外にも原因があります。

 それは、セルフ式ガソリンスタンドの普及です。日本エネルギー経済研究所石油情報センターが発表した「セルフSS出店状況」によると、2019年9月末時点で全国のセルフSS数は1万198か所、セルフ化率33.9%だったとしています。

 前年度期と比較すると210か所の増加となっていて、その数を着実に増やしています。従来のフルサービスのガソリンスタンドであれば、スタッフから水抜き剤を勧められることもありましたが、スタッフとのコミュニケーションが少ないセルフ式ガソリンスタンドでは、そういった機会もありません。

 ガソリンスタンド以外ではカー用品店などで購入できますが、より身近なガソリンスタンドでの販売数減少は少なからず影響しているといえます。

 このように、手にする機会が減った水抜き剤ですが、一定の層には需要があるかもしれません。

給油時に水分がタンク内に入ることがある
給油時に水分がタンク内に入ることがある

 燃料タンクの素材が樹脂製になって水抜き剤の必要性が低下したということは、裏を返せば金属製の燃料タンクを搭載したクルマには水抜き剤によるメンテナンスが有効だということです。

 樹脂製の燃料タンクが普及していなかった1980年代以前のクルマの多くは、金属製の燃料タンクを搭載しています。

 こういったクルマに水抜き剤を使わずにいるとガソリンタンクが錆びて、最悪の場合底の部分に穴が空いたり、地域によっては冬場に水分がタンク内で凍った結果、エンジントラブルの原因となるのです。

※ ※ ※

 現在では樹脂製のガソリンタンクが主流になったことや、セルフ式ガソリンスタンドが普及したことによって、以前と比べて水抜き剤を手にする機会は少なくなりましたが、活躍の場がなくなったわけではありません。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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