人気だったモデルの最終形態は!? 往年のスペシャリティカー5選
最近はあまり耳にしなくなったクルマのジャンルに「スペシャリティカー」があります。かつては各メーカーがラインナップするほど、数多く存在していました。そこで、往年のスペシャリティカー5車種の最終モデルを振り返ります。
人気があったスペシャリティカーの最後を振り返る
かつて、人気があったモデルには「スペシャリティカー」がありますが、近年はそのフレーズさえも耳にすることも、少なくなくなりました。
スペシャリティカーというジャンルが無くなったわけではありませんが、クーペやスポーティカーといった呼び名が一般的になったため、使われなくなったようです。
そこで、絶大な人気を誇った往年のスペシャリティカー5車種の、最終モデルを振り返ります。
●日産「シルビア」
日産を代表する小型スペシャリティカー「シルビア」は、1965年に初代が発売。初代はデザインを優先したモデルで、製造工程の多くを手作業としたために量産できず、高額なモデルとしてわずか554台のみが生産されるに留まりました。
2代目以降は一般的な量産車となり、次第にハイパワー路線へと突き進み、1988年に発売された5代目は好景気を背景に大ヒットを記録します。
コンパクトでスタイリッシュな2ドアクーペのボディに、ハイパワーなエンジンを搭載したFR車として、スポーツドライブ好きからの高い支持を得ることに成功。優れた外観デザインは、女性からも人気も獲得したことで、デートカーとしても好評を博しました。
そして、6代目ではボディサイズを拡大し、当時流行していた3ナンバーサイズに変更されます。
しかし大型化されたボディは軽快感が失われたと不評で、5代目ほどの人気を獲得できず、販売は低迷。そこで、1999年に発売された7代目は、全長4445mm×全幅1695mm×全高1285mmとサイズダウンし、5ナンバーサイズに戻されました。
シャープなフォルムのボディは車重が1270kgから1250kgに軽量化され、エンジンは2リッター直列4気筒ターボのままでしたが、最高出力を220馬力から250馬力へアップ。新に搭載された6速MTと相まって、走行性能も向上しています。
しかし、7代目シルビアは排出ガス規制強化の影響で、わずか3年7か月で生産終了となり、同時にシルビアの歴史にも幕を閉じました。
●トヨタ「セリカ」
立役者です。
また、内装の仕様やエンジンを選択できるフルチョイスシステムを採用し、ディーラーからオンラインで工場へ発注できるようにした画期的なモデルでもあり、斬新なスペシャリティカーとしてヒットを記録します。
その後代を重ね、1985年に登場した4代目では、ハイパワーなターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「GT-FOUR」が登場。世界ラリー選手権では、チャンピオンの座へと登りつめました。
そして5代目、6代目も4代目からキープコンセプトとされますが、1999年に発売された7代目では、それまでのターボエンジンと4WDが廃止され、シンプルな2WDのスポーツカーという原点回帰をコンセプトに開発されます。
外観は縦長のヘッドライトと空気を切り裂くようなシャープなフォルムが印象的で、スポーツカーとして王道のデザインを採用。
FF用に専用設計されたボディに、1.8リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載し、トップグレードでは最高出力190馬力を誇りました。
また、フロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンサスペンションを採用し、ハンドリング性能が高く評価されます。
しかし、国内市場ではスポーツカーの需要が低迷したことで、2006年に販売を終了。この7代目をもって、セリカの長い歴史に幕を閉じました。
●ホンダ「プレリュード」
1978年に発売されたホンダ初代「プレリュード」は、「シビック」、「アコード」に続いてスポーティな車種を拡充するために開発された2ドアクーペです。
しかし、シビックとあまり変わらないフロントマスクが災いし、人気車にはなりませんでした。
そこで、1982年に登場した2代目では外観のデザインを大きく変え、低いボンネットの先端にリトラクタブルヘッドライトを配置した流麗なフォルムや、充実した装備によって、デートカーとしても注目を集めます。
1987年に発売された3代目は、外観は2代目からのキープコンセプトとしながら、よりボンネット高を低くすることで洗練されたフォルムを実現。デートカーとしての人気がさらに高まります。
そして1991年に発売された4代目は海外市場を意識したことからボディとエンジンが大型化されますが、日本では先代ほどのヒットにはなりませんでした。
そこで、1996年に登場した5代目は、3代目をオマージュしたようなシャープなデザインに一新。トップグレードには220馬力を発揮する2.2リッターエンジンを搭載し、改良された4輪ダブルウイッシュボーンの優れた足まわりと相まって、走行性能も高められています。
しかし、すでに2ドアクーペのニーズは縮小しており、人気が回復することなく2001年に販売を終了。プレリュードはこの代をもって消滅してしまいました。
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