人気だったモデルの最終形態は!? 往年のスペシャリティカー5選

一世を風靡した2台のスペシャリティカーは大きく変化!?

●トヨタ「ソアラ」

北米市場を主なターゲットとして開発された4代目「ソアラ」(画像は英国仕様のレクサス「SC」)
北米市場を主なターゲットとして開発された4代目「ソアラ」(画像は英国仕様のレクサス「SC」)

 トヨタ初代「ソアラ」は1981年に発売され、ハイソカーブームをけん引。若者の憧れのクルマとしてだけではなく、幅広い層から人気となりました。

 全グレードで直列6気筒エンジンを搭載したことから、ボディはロングノーズが特徴のスタイリッシュな2ドアクーペで、デザインの美しさだけでなく先進的な装備も注目されます。

 そして1986年に2代目が登場すると、デザインは初代をほぼそのまま受け継いだキープコンセプトでしたが、好景気に湧いていた時代背景もあり、初代以上のヒットを記録。

 1991年に発売された3代目は、北米でレクサス「SC」として販売されたため、より大型化し、トップグレードには4リッターV型8気筒エンジンが搭載されるなど、ラグジュアリーさをより強調します。

 そして、ソアラとして最終モデルとなった4代目は、2001年に登場。メタルトップの4シーターオープンカーとなり、それまでのコンセプトから大きく変化。オープンカー人気が高いアメリカの趣味嗜好を取り入れたかたちで、完全に北米での販売がメインとなりました。

 その後2005年に日本でもレクサスブランドの展開が始まると、ソアラはレクサスSCに車名が変わることで消滅。SCも2010年には生産を終了し、実質的な後継車はレクサス「LC」です。

●日産「レパード」

2代目の2ドアクーペから大きく変わって、オーソドックスなセダンとなった4代目「レパード」
2代目の2ドアクーペから大きく変わって、オーソドックスなセダンとなった4代目「レパード」

 1980年に発売された日産初代「レパード」は、先進的なスタイリングの4ドア/2ドアハードトップに、燃費計やフェンダーミラーワイパーなど、技術的にも話題となったスペシャリティカーでした。

 そして1986年に登場した2代目では、当時大ヒットしていたソアラを意識した2ドアクーペにデザインを一新。

 直線基調のロングノーズボディに、小ぶりなキャビンとトランクを組み合わせたバランスの良さが際立つデザインで、TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたことも相まって、若者を中心に高い人気を誇ります。

 その後、1988年のマイナーチェンジでは、ラグジュアリーセダンの「シーマ」にも搭載された最高出力255馬力を誇る3リッターV型6気筒ターボエンジンを追加ラインナップし、日産のフラッグシップクーペにふさわしい性能を獲得しました。

 しかし、1992年に登場した3代目では「レパードJ.フェリー」に名を変え、北米市場を主眼としたラグジュアリーセダンに生まれ変わりますが、デザインの不評や高額な価格から販売は極端に低迷。

 その反省から1996年には4代目として再びレパードに名を戻したうえで、主要なコンポーネントを「セドリック/グロリア」と共有するセダンとなりました。

 エンジンは新世代の「VQ型」がメインユニットとなり、トップグレードには3リッターV型6気筒DOHCターボを搭載し、270馬力を発揮します。

 外観はスポーティなイメージの4ドアハードトップで、先代からの共通項はまったく無いほど劇的に変化しましたが、販売台数は大幅増とはならず、2000年にこの代をもってレパードは消滅しました。

※ ※ ※

 どんなにヒットしたモデルでも、流行や時代背景の変化によって、ユーザーから受け入れられなくなる時が来ます。

 現在、高い人気を誇っているSUVも、いつかは消える運命にあるのかもしれません。

 しかし、ミニバンが隆盛を誇った後にスタンダード化したことを考えると、使い勝手の良いSUVは生き残り続ける公算が高いといえます。

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