賛否両論のオートライト機能 実はワイパー操作でライトが点くクルマもあった!
ワイパー作動でライトが点灯!? 日産の安全アイデアとは
自動車メーカーによっては定められている基準以外にもヘッドライトを自動点灯する仕掛けを盛り込んでいる場合もあります。
そのひとつが日産。たとえば新型「ルークス」の取扱説明書を見ると「歩行者事故が多く発生している夕暮れ時や雨天でのワイパー使用時にもランプを自動点灯します」と書かれています。夕暮れ時はわかりますが、ワイパー使用時にも自動点灯するのはなぜでしょうか。
その理由は雨の日には視界が悪くなるからだといいます。視界が悪くなるということは、周囲のクルマを発見しにくくなります。
そこで薄暗い状態と同様にヘッドライトを点灯することで被視認性を高めて、事故を防ごうという狙いなのです。
もちろん雨天時でも周囲が暗い場合にはオートライトで自動点灯します。しかし、天気雨など空が明るい状態での雨には一般的なオートライトでは自動点灯の対象となりません。
しかし、ワイパーを動かすことでクルマが「雨天」を認知し、それを合図にヘッドライトを自動点灯することで結果として雨の日の安全性が高められるというわけです。もちろんヘッドライト点灯時は、テールランプも点灯します。

ワイパーと連動するヘッドライト点灯は、自動車メーカーが考える事故を減らすためのアイデアといえるでしょう。
その機能のために新たなセンサーを組み込む必要もないので、ユーザーにコストの負担を掛けないのも優れたポイントのひとつです。
「歩行者事故が多く発生している夕暮れ時や雨天でのワイパー使用時にもランプを自動点灯します」という説明は、2017年にデビューした現行型「リーフ」の取扱説明書にも記載されています。
安全性能といえば衝突被害軽減ブレーキなど先進性能ばかりが注目されますが、自動車メーカーは少しでも安全面に寄与する取り組みを搭載しようと地道に工夫していることが伝わってきます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

















