「アルヴェル」の明暗を分ける!? トヨタ内で人気車・不人気車の格差が生じたワケ

トヨタは販売系列を廃止し、2020年5月から全店舗が全車を扱うようになりました。それにともない、人気車と不人気車に販売格差が生じているようです。トヨタの国内販売は、どうなるのでしょうか。

国内の新車販売で長年トップを独走するトヨタ

 日本でもっとも多くクルマを販売しているメーカーはトヨタです。

 2020年1年から7月の統計を見ると、トヨタは日本国内で約81万台の新車を売りました(OEM車を含む)。2位のホンダが約36万6000台ですから、トヨタは2倍以上の差を付けて販売1位を独走しています。

小型/普通車で圧倒的なシェアを誇るトヨタ
小型/普通車で圧倒的なシェアを誇るトヨタ

 過去を振り返ると、1962年までは乗用車については日産がトヨタより多く販売しましたが、1963年以降は乗用車、総台数ともにトヨタが一貫して1位です。

 ただし現在のトヨタの国内シェアは、軽自動車を含むか否かで大きく異なります。軽自動車を除いた小型/普通車に限ると、2020年1月から7月の累計で、トヨタ比率は48%に達しました。国内で売られた小型/普通車の新車は、約半数がトヨタ車です。

 その一方で、軽自動車を含めた総台数では、トヨタ比率は31%に下がります。2020年1月から7月に国内で売られた新車のうち、37%が軽自動車だったからです。

 小型/普通車が圧倒的に多いトヨタは、日本で好調に売れている軽自動車を含めると、シェアが大きく変わるのです。

 トヨタの小型/普通車におけるシェアが安定して45%を超えるようになったのは2006年以降です。この時代に軽自動車の国内販売比率も30%を上まわり、小型/普通車市場でトヨタの強さが際立ってきました。

 ほかのメーカーの動向も、トヨタのシェアに大きな影響を与えました。1990年頃まで、国内と海外の販売比率は、トヨタを含めて各メーカーとも各50%ずつでした。

 ところが2000年頃になると、各メーカーとも海外販売比率を65%に高め、国内は35%へ減少します。海外の旺盛な需要に押され、小型/普通車の商品開発が海外中心になり、国内の売れ行きを下げたのです。

 このときに急速に普及を開始したのが、スズキ「ワゴンR」、ホンダ「ライフ」、ダイハツ「ムーヴ」「タント」といった背の高い軽自動車でした。

 軽自動車は国内向けの商品なので、日本のユーザーから高く評価され、日本を離れた小型/普通車とは対照的に売れ行きを伸ばした結果、新車として売られるクルマの30%以上が軽自動車になったのです。

「小型/普通車は海外向けに造り、国内市場は軽自動車と一部のコンパクトカーやミニバンに任せれば良い」と考えるメーカーが増えるなかで、トヨタだけは軽自動車を用意しません。

 後にダイハツのOEM車は加えましたが、2000年代に入っても小型/普通車に力を入れました。

「エスティマ」や「ヴォクシー&ノア」のようなミニバンで売れ行きを伸ばす一方、カローラ、クラウン、「マークX」などのセダンも堅調でした。SUVも「ハリアー」、「ヴァンガード」、「RAV4」、「ランドクルーザー&ランドクルーザープラド」をそろえました。

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