硬派なのは見た目だけじゃない!? 昭和のゴツくてカッコいいスポーツ車3選

現在販売中のクルマは、精悍なフロントフェイスに流麗なフォルムというのが定番です。一方、昭和の時代にはスポーティなクルマでも、直線基調な無骨なスタイルで、硬派な印象でした。そんな昭和のゴツゴツ系スポーツ車を3車種紹介します。

高性能さと無骨なスタイルが絶妙なクルマを振り返る

 クルマのデザインにはその時代によって流行があり、現在はコワモテなフロントフェイスや、流麗なサイドビューのモデルが多い印象です。

無骨でもカッコよかった昭和のスポーティモデルたち
無骨でもカッコよかった昭和のスポーティモデルたち

 一方、ターボ車やDOHCエンジンといった高性能化が顕著になった1980年代は、直線基調で無骨なスタイルのモデルが多く、見た目にも力強さが感じられました。

 そんな昭和のゴツゴツ系スポーツ車を、3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ランサーEXターボ」

バンパーからのぞく前置きインタークーラーが渋い「ランサーEXターボ」
バンパーからのぞく前置きインタークーラーが渋い「ランサーEXターボ」

 1973年に発売された三菱初代「ランサー」は、トップグレードの「ランサー1600GSR」に、ソレックス2バレルツインキャブレターを装着して最高出力110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒SOHCを搭載。

 わずか825kgと軽量な車体によって高い運動性能を発揮し、国内外のラリーで活躍しました。

 そして、1979年に発売された2代目にあたる「ランサーEX」シリーズは、初代に比べて100kg以上増えた車重と、排出ガス規制によるパワーダウンもあり、走行性能の低下は否めませんでした。

 そんな状況を打破するため、1981年に最高出力135馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「ランサーEX 1800GSRターボ」が登場。

 トランスミッションは5速MTのみで、足まわりも専用にチューニングされ、後輪駆動の素直でコントローラブルなハンドリングによって、スポーツドライビング好きから高い人気を得ました。

 ライバル車も続々とパワーアップするなか、ランサーEXターボも1983年のマイナーチェンジでインタークーラーが装着され、最高出力は160馬力までアップ。

 無骨なスタイルのセダンながらスポイラー形状のバンパーを採用し、さらに逆文字「TURBO」のデカールで、高性能さをアピールします。

 余計な飾り気のない、硬派のセダンとして若者からの人気は、さらに高まりました。

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●トヨタ「カローラGT」

セダンながら「2T-G型」DOHCエンジンを搭載した「カローラGT」
セダンながら「2T-G型」DOHCエンジンを搭載した「カローラGT」

 1970年に登場したトヨタ初代「セリカ」に搭載された1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「2T-G型」によって、かつては特別な存在だったDOHCエンジンが身近になりました。

 そして、1972年には大衆車「カローラ/スプリンター」の高性能モデルとして、2T-G型エンジンを搭載した「カローラレビン/スプリンタートレノ」が登場し、若者でも手が届くスポーツカーとして人気を獲得。

 この2T-G型エンジンは、その後排出ガス規制に対応するためにソレックスツインキャブから電子制御燃料噴射装置に代えられ、カローラレビン/スプリンタートレノだけでなく、セダン、ハードトップなどの「GT」グレードにも搭載されました。

 4代目にあたるカローラGTの「2T-GEU型」エンジンは最高出力115馬力を発揮。後期型では、燃焼室形状の変更などにより圧縮比が8.4から9.0まで高められ、最高出力は変わりませんが、トルクについてはキャブ時代の性能を上まわりました。

 同時にスロットルレスポンスの改善など、同じ型式のエンジンとは思えないほどフィーリングが改善されています。

 GTシリーズの外観はスタンダードモデルと大きな違いはありませんでしたが、セダンではフロントグリル中央には赤い「GT」のエンブレムが装着され、ボディサイドには「DOHC EFI」の小ぶりなデカールが貼られるなど、控えめに高性能さを主張。

 その後、カローラシリーズは1983年に登場した5代目からFF化され、デザインも無骨なイメージではないスマートな印象に変わり、2T-G型エンジンも廃止されました。

 なお、カローラレビン/スプリンタートレノだけはFRのままで、次の世代からは全車FFとなっています。

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