硬派なのは見た目だけじゃない!? 昭和のゴツくてカッコいいスポーツ車3選
シリーズ最後のカクカク系スペシャリティカーとは!?
●日産「シルビアRS」
1965年に登場した日産初代「シルビア」は、ダットサン「フェアレディ」をベースに、美しいデザインのクーペボディを架装した元祖スペシャリティカーです。
製造工程の多くをハンドメイドとしたため高額な価格となり、若者は手が出せず、わずかな販売台数で1968年に生産を終了。
2代目は空白期間を経て1975年に登場しました。しかし、排出ガス規制によって牙が抜かれたエンジンと、北米市場を意識したデザインは好き嫌いが分かれ、販売は低迷します。
そして、1979年にモデルチェンジした3代目は、直線基調のシャープなフォルムと、角型4灯式ヘッドライトを採用した力強い印象のフロントフェイスとしたことで、一気に人気が回復。
ボディタイプは2ドアクーペ(ハードトップ)と3ドアハッチバックが設定され、どちらも甲乙つけがたい魅力がありました。
発売当初は2リッターと1.8リッターの直列4気筒SOHC「Z型」エンジンが搭載され、1981年のマイナーチェンジでは「ブルーバードSSSターボ」と同じ、最高出力135馬力を発揮する1.8リッター4気筒SOHCターボ「Z18ET型」エンジンを搭載。
さらに「スカイラインRS」と同じ、最高出力150馬力を誇る2リッター4気筒DOHC16バルブ「FJ20E型」エンジンを搭載するハードトップの「シルビアRS」が登場しました。
FJ20E型はショートストロークかつ軽量フライホイールの採用で鋭いレスポンスを実現し、大きめなメカニカルノイズも高揚感があり、魅力のひとつでした。
当時としてはやや大柄なスカイラインに対し、シルビアは引き締まった印象のスポーツモデルとして、RSがとくに人気モデルとなります。
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1979年に、国産車初のターボエンジンを搭載した日産「セドリック/グロリア」が発売されました。それをきっかけにして国産車の高性能化が進み、馬力競争が勃発。
しかし、パワーだけを追い求めていたことで、高出力を受け止めるシャシ性能が追いついていないモデルが散見され、なかには危険なほどじゃじゃ馬な性格のクルマもあったほどです。
その後、シャシ性能も向上し、昭和の終わりには国産車の性能も熟成が進み、数々の名車誕生への布石となりました。