日産が旗振り役「ブルースイッチ」ってどんなスイッチ? 同社新型SUVがカギとなる訳とは
日産が「ブルースイッチ」を推進するほかの理由とは?
もうひとつ、日産が「ブルースイッチ」を推進する理由に、ESG投資への対応があります。
ESG投資とは、「従来の財務情報だけではなく、環境(エンバイロメント)、社会(ソーシャル)、ガバナンス要素も考慮した投資」を指します(経済産業省ホームページより抜粋)。
例えば、ガバナンスについては、この数年で多発した排ガス規制に対する不正行為や、車両検査に対する法令違反など、その対応に自動車メーカー側はメディアや株主に対して極めて慎重かつ丁寧な説明してきたことが、記憶に新しいと思います。
環境についても、単に地球環境にやさしいという大義名分だけではなく、前述の防災レジリエンスを含めた社会への貢献を、具体的な活動として進める必要があるのです。
このように、EVなど電動車は、ガソリン車やディーゼル車では実現できなかった、新たなる社会とのつながり方を、日産をはじめとした自動車メーカー各社が模索しているところです。
日産の新型電動SUV「アリア」のオンライン発表会で、同社の内田誠CEOは「日産の新たなる扉を開くモデルだ」と表現しています。
新型アリアの上級モデルの電池容量は、日産として過去最大となる90kWh。また急速充電には、130kWを想定しています。
大容量電池が新型アリアに搭載されたということは、日産「ブルースイッチ」の観点でも、新たなる挑戦を意味するのだと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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