トヨタのハイブリッド専用車は終焉? プリウス・アクアの人気が急落した訳

トヨタ内でライバルモデルが出現!?

 アクアの売れ行きが下がった理由をトヨタの販売店に尋ねてみると、次のような回答でした。

「2011年に発売されたアクアは、9年が経過したモデルです。2019年におこなわれた東京モーターショーでは、新型ヤリスが初披露され、これを待っていたお客さまも多いです。

 新型ヤリスはハイブリッドを含めてエンジンやプラットフォームが新しく、アクアに比べると走りや乗り心地も優れています。

 内装も上質です。安全装備や運転支援機能も進化したので、アクアからヤリスに乗り替えるお客さまも増えました」

トヨタ「アクア」
トヨタ「アクア」

 アクアが新型ヤリスよりも優れたところはないのでしょうか。前出の販売店スタッフは次のように話します。

「新型ヤリスにはディスプレイオーディオが標準装着され、一般的なカーナビとは使い勝手が異なります。高齢のお客さまには馴染みにくいようです。

 また新型ヤリスのCD&DVDデッキ(ディーラーオプション)は、助手席の下に装着され、駐車してディスクを入れ替えるなど、少々手間がかかります。

 後席は新型ヤリスよりもアクアのほうが広く、また新型ヤリスは登場したばかりということもあって値引きも少ないです。

 そのためディスプレイオーディオが不要で後席に乗る機会も多く、なるべく安く買いたいというお客さまはアクアを検討されますが、普通はヤリスを選ぶことが多いです」(前出の販売店スタッフ)

 プリウスは外観の好みが分かれ、アクアは設計が古いという一方で、新型のカローラシリーズやヤリスが加わったために売れ行きが下がりました。

 ハイブリッドが珍しかった時期を過ぎて、普通のメカニズムになったことも、ハイブリッド専用のプリウスやアクアが後退した理由でしょう。

 そして販売現場からは別の声も聞かれました。

「プリウスとアクアは以前から全店が販売していましたが、ヤリスの前身である『ヴィッツ』はネッツ店、カローラシリーズはカローラ店の専売でした。

 それが東京では2019年4月から、ほかの地域でも2020年5月から、すべての販売店がトヨタの全車種を扱うようになりました。

 新型ヤリスやカローラシリーズは、もともと需要の多い人気車なので、全店/全車扱いになって売れ行きを伸ばしました。この影響でプリウスとアクアが減少する傾向も見られます」

 トヨタ店が扱うコンパクトなハイブリッド車は、以前は全店扱いのアクアのみでしたが、いまなら新型ヤリスやカローラシリーズのハイブリッドも購入できます。そうなるとアクアの売れ行きは下がるでしょう。

 このようにプリウスとアクアは魅力が相対的に下がり、設計の新しいヤリスハイブリッドやカローラハイブリッドは、機能が充実する上に全店扱いになって購入しやすくなりました。

 その結果、プリウスとアクアの売れ行きがますます下がったわけです。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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3件のコメント

  1. プラットフォームが新しけりゃ乗り心地が良い?な〜んじゃそりゃ?
    ならレクサス専売になってからのLSは何なのさ?特に今のLSは先代より巨体で車内寸法は狭いしガソリン車でも先代のハイブリッドAWDより重い
    まるで市場をテストコースに見立てた度重なる改良、ユーザーを馬鹿にしてんのかね?
    2代目セルシオでの軽量化や心地よいメカニカルノイズで車を制御する本来の視点にトヨタがやっと気付いたと思ったら後は素人相手に馬鹿の一つ覚えのように剛性の連呼!
    だからその剛性を何処に分配してるかが全く不明なんだよ
    先代のLSはまるで初代マジェスタだし初代どころか2代目のUCF20系の足元にも及ばないし、プリウスは初代こそプリウスで以降は単なるコロナプレミオ級のハイブリッド車に後退してしまった。

  2. 提灯記事ならばもっと文才ある人に書かせた方がいい。全く伝わってこない情報と写真だけなら見る気にならん。アホかと!

  3. 別にプリウス、アクア人気が終わった訳ではないでしょう。こんな事書いていたらトヨタに怒られますよ。
    デビューして息の長いモデルより、最近デビューしたモデルに売れ行きが流れるのは余程の失敗作でない限り普通に考えたら当たり前の事でしょう。
    プリウス、アクア共にトヨタとしては主力車種に挙げられていて消滅どころか、フルモデルチェンジを予定されております。
    プリウス、アクアに新型が出た時には、この記者はこう書いている事でしょう…。
    「ハイブリッドの王者!」「真打ち」と。

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