ネットオークションでクルマを落札! トラブル経験者が語るリスク回避術
出品者が遭遇することが多いトラブルとは?
落札者から寄せられるトラブル話も多いですが、一方で出品者側のトラブルも少なくないといいます。数多くのクルマを出品した経験を持つ、いわゆるブローカーのKさんは次のように話します。

「とにかく多いのが名義変更のトラブルです。いつまで経っても落札者が名義変更してくれず、こちらの名義のままになっていることがあります。
なかにはそのまま事故を起こす人もいて、責任の所在で大モメになったこともありました。
対策としては、名義変更するまで数万円を預かるというのがあるのですが、実際のところ焼け石に水です。免許証のコピーを取らせてもらっても、それが本物であるか、本人であるかは分かりません。
あとは、いついつまでに名義変更してくれなかったら盗難届を出すと説明しておくぐらいです」
また別のブローカーのSさんは、名義変更のトラブルから犯罪に巻き込まれた経験があるといいます。
「名義変更をしないまま、つまり私の名義のまま、どうやら薬物の取引にクルマ使ったようで、いきなり警察が訪ねてきたことがあります。さすがにびっくりしましたが、事情を話して事なきを得ました。
これは極端な例ですが、そこまでいかないまでも、やはり名義変更の遅れはあります。自衛手段として、取り扱う車種を限定するなどしています」
出品者としても、現車確認は絶対にして欲しいとのことです。あとでクレームに発展しないようにという意味もありますが、出品者側も取引相手の人となりが少しでも分かったほうが安心できるというメリットもあるそうです。
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ネットオークションでのクルマの売買において、落札者、出品者ともに少なからずトラブルは発生します。
しかし、現車確認で注意深くチェックすることと、名義変更は出品者側でおこなう、あるいは陸運局で受け渡しにするなどすれば、多くのトラブルは防げるはずです。
そうしたことを面倒だと思うなら、トラブルが皆無というわけではありませんが、中古車販売店でクルマを売買するのが良いでしょう。
中古車販売店は、ネットオークションよりも買うときは高く、売るときは安くなりますが、トラブル回避の安心料も含まれているということではないでしょうか。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。













