スポーツカー顔負けの高性能! ハイパワーが自慢だったスポーツワゴン5選
ハイパワーに負けない足回りを持つスポーツワゴンも
●日産「ステージア」
日産は、ステーションワゴン専用車種として「ステージア」を1996年に発売しました。実質的には「セドリックワゴン/グロリアワゴン」や「スカイラインワゴン」の後継モデルという位置付けでした。
当時はすでにスポーツワゴン全盛期とあって、ステージアも235馬力を発揮する2.5リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載した「RS FOUR(V)」をラインナップして、ハイパワースポーツワゴン界に参入します。

ステージアは、全長4800mm×全幅1755mm×全高1495mmという長さが特徴的でした。このボディに2リッターおよび2.5リッターの自然吸気エンジンと、前述の2.5リッターターボエンジンという3種類のエンジンを搭載。さらにFFベースが多かったライバルたちとは違い、FRベースというのもステージアの特徴でした。
そして1997年には、特別仕様の限定車として、「スカイラインGT-R(R33型)」譲りの名機「RB26DETT」を搭載した「オーテックバージョン260RS」というモンスターワゴンが登場します。
2.6リッター直列6気筒ターボエンジンとドライブトレーン(4WD)は280馬力ものハイパワーを発揮するとともに、エアロパーツを装備したスポーツワゴンとして注目を集めました。
その後、1998年にはマイナーチェンジに合わせて前後デザインも変更されました。リアが長いという批判的な意見もありましたが、商業的には成功作といえます。
そして2001年、「スカイライン(V35型)」をベースとした2代目(国内専用)へとフルモデルチェンジ。全長4765mm×全幅1760mm×全高1510mm(250t RS FOUR V)とサイズこそ初代とあまり変わりませんが、不評だったリア部分を短縮し、逆にホイールベースを2850mmと130mm延長して、見た目にもバランスが良くなりましたが、ステージアらしい個性が薄れてしまった感は否めませんでした。
また時代のニーズはワゴンからミニバンへ移行しつつあり、大きな注目を集めることもなく2007年に生産が終了しました。
●トヨタ「カルディナ」
トヨタが、乗用・商用の併用だった「カリーナサーフ」の後継モデルとして、1992年に登場させたのが「カルディナ」です。ちなみにベースは10代目「コロナ」です。
全長4545mm×全幅1695mm×全高1470mm(TZ)のボディサイズは、ほぼレガシィ ツーリングワゴンと同じですが、4WDだけでなく市街地で扱いやすいFFモデルも最初からラインナップすることで差別化を図ります。
さらに大開口ガラスルーフを採用した「スカイキャノピー仕様」も用意され、より乗用車っぽい乗り味を目指していました。
デビュー当時は、1.8リッターおよび2リッターガソリンエンジンと、2リッターディーゼルエンジンを搭載していたこともあり、スポーツワゴンというより扱いやすいミドルクラスワゴンとして認知されていました。
カルディナがスポーツ路線に乗り出すのは、マイナーチェンジ前の1995年に175馬力を発揮する2リッタースポーツツインカムエンジンを搭載したグレード「TZ-G」を投入したあたりからになります。
1997年に2代目へとフルモデルチェンジを果たしたカルディナは、一気にスポーツ路線を強化します。
ディーゼルエンジンが2.2リッターに変更になっただけでなく、新たに「GT-T」なるスポーツグレードを追加。
さらに進化して190馬力までパワーアップしたスポーツツインカムと、これにターボを装着し260馬力まで大幅にパワーを引き上げた2種類のエンジンを搭載しました。
ちなみに「GT-T」はワイドフェンダーを装着し、全長4520mm×全幅1720mm×全高1495mmの3ナンバーボディとなっています。
そして2002年、3代目へフルモデルチェンジ。全長4510mm×全幅1740mm×全高1445mm(GT-FOUR)と全車完全な3ナンバーモデルへと生まれ変わりました。
エンジンも、1.8リッターおよび2リッターの自然吸気エンジンは一新され、スポーツグレードは「セリカ」譲りの「GT-FOUR」へと名称変更されます。これで260馬力ものハイパワー&4WDという、スポーツワゴンらしさをより前面に押し出したラインナップになりました。
実際にドイツのニュルブルクリンクサーキットでは、当時の「スープラ」より速いラップタイムを記録するなど優れた走行性能を誇っていましたが、ワゴンブームの終焉とともに、2007年に生産が終了してしまいました。
●三菱「ランサーエボリューションワゴン」
スポーツワゴンブームに乗じて、禁じ手ともいえる手法でモンスターマシンが登場したことがあります。それが、2005年に登場した「ランサーエボリューションワゴン」です。
その名の通り、WRC(世界ラリー選手権)で活躍するために誕生した、第3世代の「ランサーエボリューションIX」をベースに誕生。
ランエボIXのシャシをベースに、「ランサーワゴン」の上半分のボディを溶接するという、かなり強引な手法でスポーツワゴン界に殴り込みをかけました。
全長4445mm×全幅1770mm×全高1450mmのサイズに、ランエボIXと同じMIVEC(可変バルブタイミング機構)4G63型エンジンを搭載。しかも6速MTだけでなく5速AT(最高出力は272馬力)も選べる仕様となっていました。
通常、ワゴンボディはセダンより剛性面で劣るといわれていますが、ランサーワゴンのボディを移植する際に、重点的なスポット溶接を施してランエボの名に恥じない剛性を確保。
重量は増加しましたが、もともとフロントヘビーといわれていたランエボだけに、重量バランスが改善されるという副産物もあり、このランサーエボリューションワゴンはスーパー耐久レースに参戦したこともあります。
なによりランエボIXそのままの中身に、530リッターという広い荷室や6:4分割可倒式リアシート実用性をプラス。さらに生産台数は、エボワゴン全体でもわずか2847台という希少性なモデルでした。
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スポーツワゴンにも各メーカーの特色が出ています。今回紹介した5台は、中古車市場ではどれを選んでも比較的安めで推移しており、価格以上の満足感が得られそうです。
昨今はSUVが人気ですが、重心の低さから高速などでも運転がしやすいステーションワゴンの人気が再熱する日がくるかもしれません。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。




































