スポーツカー顔負けの高性能! ハイパワーが自慢だったスポーツワゴン5選

1990年代にはセダン以上の使い勝手の良さもあって人気を博したステーションワゴン。一時はさまざまな車種にワゴンモデルが追加されるなど、ブームを巻き起こしていました。今回は、ハイパワー自慢のスポーツワゴンを5台紹介します。

スポーツカー並みの性能で人気になったワゴンたち

 1980年代までは、クルマといえばセダンが主流でした。SUVやワゴンの原型であるクロカンやライトバンといったモデルもありましたが、あくまで特殊なクルマ、または働くクルマとして認識されていました。

 しかし、ある1台のクルマが、それまで商用車のイメージしかなかったワゴンを、一躍カッコイイと思わせることに成功します。それが1989年にデビューしたスバル「レガシィ ツーリングワゴン」です。

スポーツワゴンの先駆けとなったスバル「レガシィツーリングワゴン」
スポーツワゴンの先駆けとなったスバル「レガシィツーリングワゴン」

 この大ヒットを受け、メーカー各社はこぞってステーションワゴンを発表します。しかも時代はハイパワー競争の真っ只中。そうなるとライバルたちとの差別化を図るべく、よりパワーのあるエンジンを搭載する「スポーツワゴン」路線がブームとなりました。

 今回はそんなスポーツワゴンを5台ピックアップして紹介します。

●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」

 バブル真っ只中の1989年に登場するやいなや、瞬く間に大ヒットモデルとなり、のちのカーラインナップに多大な影響を与えたとまでいわれるのが、スバル「レガシィ ツーリングワゴン」です。

 スバル(当時は富士重工業)は、経営難で倒産まで囁かれたほどでしたが、ピンチを乗り切るべく、新たなプラットフォームに、スバル伝統の水平対向エンジンと、「レオーネ」に採用していた4WD機構を搭載。スタイリッシュなデザインのボディでレガシィ ツーリングワゴンが登場しました。

 それまでライトバンのイメージが強かったステーションワゴンを、アウトドアブームを追い風にして、一気に趣味性と実益を兼ねた人気ジャンルへと押し上げたパイオニアといえるモデルです。

 当時としては画期的な「ハイパワーターボエンジン+4WD」という組み合わせを実現させたことで、世間のステーションワゴンに対するイメージが一新されます。

 レガシィツーリングワゴン(GT)は、全長4600mm×全幅1690mm×全高1500mmという扱いやすいサイズに、200馬力を発揮する2リッター水平対向ターボエンジンを搭載。1.8リッターの自然吸気エンジンもラインナップしていました。

 その後、1993年に2代目へとフルモデルチェンジ、1998年登場の3代目までは、走りを意識したスポーツグレードを展開することで、スポーツワゴンの第一人者のポジションを維持し続けます。

 しかし時代のニーズがワゴンからミニバンやSUVに移り変わったことを受けて、スポーツ路線は弟分である「インプレッサ」などに譲り、4代目以降は上質なステーションワゴンという路線へとシフトチェンジしました。

 レガシィ ツーリングワゴンは5代目を最後に終了となり、後継モデルとして「レヴォーグ」が登場しています。

●三菱「レグナム」

 1990年代に起こったステーションワゴンブームでは、前出のレガシィ ツーリングワゴンの成功を受けて、ほかのメーカーもさまざまな個性的なワゴンを投入しました。

 三菱は、新しいプレステージ・スポーツワゴンを1996年に誕生させました。それが「レグナム」です。

 ハイパワーなターボエンジンを搭載していた8代目「ギャラン」のワゴン版であるレグナムは、当時WRCでも競っていたスバルに対してのライバル心で誕生したといっても過言ではないでしょう。

 フロントフェイスは8代目ギャランそのままで、ガンダムチックな逆スラントしたワル顔。全長4710mm×全幅1740mm×全高1450mmという低くワイドなサイズのボディに、1.8リッター直列4気筒、2リッターV型6気筒、2.5リッターV型6気筒、2.5リッターV型6気筒ツインターボと、4種類ものエンジンを搭載する幅広いバリエーション展開でした。

 なかでも話題になったのは、市販車として世界初となった1.8リッターのGDI(ガソリン直噴)エンジンと、「ギャランVR-4」にも搭載された2.5リッターV型6気筒ツインターボで、当時の自主規制枠いっぱいの280馬力ものハイパワーエンジンを搭載します。

 さらに、前後マルチリンク式サスペンションを搭載するとともに、最強グレードの「VR-4」にはランエボにも搭載されたAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)も採用。

 これはハンドル角や速度、ブレーキ、旋回Gなどの情報をもとに後輪の左右の駆動力をコントロールし、旋回性能を高める画期的なシステムです。

 さらにスポーティな「VR-4 TYPE-S」にはアクティブ・スタビリティー・コントロールシステムとトラクション・コントロールシステムまでも搭載し、スポーツカー以上のハイスペックを誇りました。

 1998年にはデザインを大幅に刷新。2000年にはGDIエンジンを2リッターに排気量アップなどを図りますが、ワゴンブームの終焉などにより人気が低迷し、2002年には「ランサーセディアワゴン」に統合され、姿を消してしまいました。

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6件のコメント

  1. 何でアコードワゴンが無い?
    F22Aの140psは平凡ながら、H22Aの190psなら十分にハイパワーと思うが…

    あの時代のワゴン戦争は、「レガシーとアコードの2強とその他」という構図

    しかもRB26DETTを「R-33譲り」とか書いてるし
    あのエンジンは、R32-GTRの代名詞的なものでしょう

    何かピントがずれているような記事で、
    「大して車好きではない人が、会社に言われてネットで調べながら書いたもの」
    としか思えない

    • ステージアとかR33世代にはRB26はGT-R専用ではなくなってきたし、33時代には4ドアのR33にも移植されたわけで、記者の伝えたいところはその辺りの世代の記事で特に変だとは思わないけどね。
      読者側も記事にケチ付けるばかりでなく少しは尊重の精神で読むほうが互いにしあわせになれると思うけどね。

    • 三菱愛が溢れるあまりホンダが抜けたか。ライターなんてのは批判されてなんぼ。但しあきらかな批判を呼ぶような書き方はシロート。批判に批判を呼び炎上するくらいがview数(≒儲け)に繋がるでしょう。本当に尊重の精神があるなら裏をかくコメントをせねば。

    • 俺ら車を所有権で乗る買い手に表裏なんて無用なんだよね、手の届かない商品に関連した記事を八つ当たりに叩くコメントが醜く写るだけの話
      言っておくが畑違いが記事を叩くなら慎重になれって話なんだよ。
      イチイチホンダが抜けてるとか噛み付く話じゃないし、第一に自動車なんて基本は僅かな車種に無駄な命名が散らばってるだけで結局は税制重視の割賦やリース乗り出し向けの産物ばかりだろうに
      それと記者が叩かれてなんぼ?とか?
      そんなのは単に無い物ねだりしかできない四方八つ当たりしかできない輩の言い訳なんだよ

    • 誰が三菱愛なんだよ?w
      それって変化球で皮肉ったつもりか?
      記事を詰りに出没するコメントで火に油を注ぐんじゃねーよ
      そこそこ面白く読んでる記事も君らのケチコメントが艶消しになるんだよね

    • 会社命令の記事とか三菱愛が溢れたとか、この御両人は何言ってんだ?
      我流で書ける記事なんて大半無いだろに、そこを濾して見れないのならワザワザ出てくるなってよ!

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