時代を先取った名車の数々! 100年企業スズキの軽自動車5選
スズキは2020年3月15日に創立100年を迎えました。4輪自動車の販売を始めてからは65年が経ちますが、その間に数々の名車を世に送り出しています。そこで、スズキがこれまでに販売した軽自動車のなかから、エポックメイキングな名車を5車種ピックアップして紹介します。
スズキが販売した軽自動車の名車を振り返る
2020年3月15日に、スズキは創立100年という大きな節目を迎えました。同じくマツダも2020年1月30日に創立100年を迎えており、100周年特別仕様車やグッズ販売などをおこなっていますが、スズキはシンプルに特設ホームページの公開にとどまっています。
スズキは1920年に自動織り機の製造から始まり、1952年からオートバイ製造、そして1955年には初の4輪自動車「スズライト」を発売しました。スズライトは日本初の本格的な軽自動車として誕生し、現在まで続く軽自動車の基礎となったモデルです。
その後、スズキは軽自動車と小型車を主軸に自動車製造を続け、現在に至りますが、これまで数多くの名車といわれるモデルを世に送り出してきました。
そこで、スズキがこれまでに販売した軽自動車のなかから、エポックメイキングな名車を5車種ピックアップして紹介します。
●ジムニー
国産の本格的な量産クロスカントリー4WD車の源流は三菱「ジープ」ですが、軽自動車の4WD車といえば世界に誇れる名車「ジムニー」があります。
初代ジムニーは、1970年に誕生。ジムニーの前身にはホープ自動車の「ホープスター」がありましたが、基本的なメカのレイアウト以外はスズキが独自に開発しています。
ボディは別体のラダーフレームに架装されるかたちで、同社の軽トラック「キャリイ」の空冷2サイクル360cc2気筒エンジンを搭載。
最高出力はわずか25馬力でしたが車重600kgと軽量な車体だったことと、2サイクルエンジンならではの低回転域から粘りのあるトルクが出る出力特性により、街中や山道では十分なパワーでした。
サスペンションは頑丈なリーフスプリング(板バネ)を前後に採用したリジッドアクスルで、乗り心地よりも信頼性を重視しています。
トランスミッションは4速MTのみで、2WDと4WDの切り替えは手動でおこなうパートタイム式とし、16インチの大径タイヤにより高い悪路走破性を実現。
この高い悪路走破性から土木現場や林業、山間地の荷物運搬など、さまざまな状況下でプロの道具として高い評価を得るとともに、手軽にアウトドアを楽しめる4輪駆動車として、一般ユーザーにも好評を博しました。
現行モデルは2018年に発売された4代目で、日本のみならず欧州や南米、アジア圏などでも販売されるなど、軽自動車ながら(海外仕様は「ジムニーシエラ」がベース)本格的なグローバルカーとなっています。
●フロンテクーペ
スズライトから始まったスズキの軽自動車の系譜ですが、1962年に乗用車モデルが「スズライトフロンテ」に枝分かれし、1967年に「フロンテ」として独立した車名になりました。
1970年発売の3代目フロンテは、シャープでスタイリッシュな2ドアファストバックセダンに生まれ変わり、そして1971年には、高出力なエンジンを搭載した軽自動車初のRRスポーツカー「フロンテクーペ」が登場。
フロンテクーペのデザインは、それまでにも交流があった巨匠ジウジアーロの原案がベースで、低いフロントノーズと傾斜したフロントガラスからリアまで流れるように続くルーフラインが特徴です。
それまでの軽自動車にはないスポーティなフォルムに加え、デビュー時は2シーターのみとされ、内装もタイトなコクピットにローバックタイプのバケットシート、インパネには6連メーターが設置されるなど、スポーツカーらしさを強調。
最高出力37馬力を絞り出す3キャブレターの360cc2サイクル直列3気筒エンジンは、刺激的な音とフィーリングで、見た目だけでなく走りも間違いなくスポーツカーといえました。
●アルト
1976年に軽自動車規格が大きく変更されました。それまで360ccだった排気量は550ccへ拡大し、ボディサイズも全長3200mm×全幅1400mm×全高2000mmが上限となり、居住性と安全性が向上。
この新規格に対応したモデルの発売が一段落した1979年に、初代アルトが登場しました。
当時の税制では軽商用車には物品税が課せられなかったことと、4人フルに乗る機会が少ないという調査により、アルトはリアシートがミニマムの商用車として販売。
さらに、装備もとにかくシンプルにすることで徹底したコスト削減をおこない、価格は47万円からという驚異的な低価格を実現。
当時のライバルであった三菱「ミニカ」が54万5000円からでしたから、アルトの価格は相当なインパクトがありました。
また、排出ガスの規制値が緩い商用車としたことで、従来から製造していた550cc直列3気筒2サイクルエンジンを搭載したことも、大きなコスト削減のひとつです。
ほかにもコストダウンの手法として、質素なグレー塗装が施されたスチール製バンパーの採用や、助手席にはドアキーシリンダー(鍵穴)を装備せず、ウインドウ・ウォッシャーは手動式ポンプという徹底ぶりでした。
1981年に軽商用車にも2%の物品税が課せられるようになると、非課税の2シーターモデルを廉価グレードとして投入し、47万円の車両価格を維持するなども驚くべき点です。
FFを採用したことで室内空間を広くし、低価格でありながら移動手段としては必要にして十分なアルトは、大ヒットしました
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