高速道路の「ETC専用化」は可能? 国交省が示す今後の方針 スマート交通社会は実現出来る?

2020年4月には過去最高の93.2%を記録、これまでのETC普及への道のりとは

 今や90%以上の利用率となったETCですが、これまでどのような歴史をたどってきたのでしょうか。

 まず、ETCの研究開発が開始したのは、1994年のことです。当時の建設省と道路4公団が主導となって事業がスタートしました。

 1997年には試験運用が実施されます。対象となったのは、神奈川県の小田原厚木道路の小田原料金所と、東京湾アクアラインの木更津金田第一料金所でした。

 その後、千葉・沖縄で一般へのサービスが開始したことを皮切りに、2001年11月から全国で一般運用されることとなります。

 サービス開始後は、運送業者や通勤で高速道路を利用するユーザーを中心に利用者が増加、開始から5年後の2005年には利用率が50%を超えます。

幅広い活用方法が期待される「ETC2.0の活用方法」(資料:国土交通省)
幅広い活用方法が期待される「ETC2.0の活用方法」(資料:国土交通省)

 そして、あるタイミングをきっかけに、80%の大台に乗ります。それは、リーマンショック後の「高速道路休日1000円」という施策です。

 これは、ETC利用の普通車および軽自動車、自動二輪車を対象に、地方部の通行料金を上限1000円にするというものでした。

 2009年から2011年まで実施されましたが、ETC利用率は実施前と比べると約20%も増加します。今日のETC社会の基盤を築いた出来事だったといえるでしょう。

 その後、利用率は着々と上昇し、2020年4月の統計では過去最高となる93.2%を記録しました。ちなみに、利用率がもっとも高いのは阪神高速おける中型車以上の利用で98.8%となっています。

 なお、現在は、従来よりも広範囲で渋滞や規制の情報を受信することが可能な「ETC2.0」と呼ばれるサービスが普及しています。

 ある調査によれば、2020年5月末までのETC2.0セットアップ数は、全国でおよそ510万台にのぼるとのことで、今回のETC専用化にあたり、このETC2.0もますます浸透することが予測されています。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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