人種差別に反対表明! 2020年シーズンのメルセデスF1ボディカラーが銀から黒に変更
Mercedes-AMG Petronas Formula One Team(メルセデスAMGペトロナスF1チーム)は2020年6月29日、同年7月3日から5日に開催される開幕戦、オーストリアGPからはじまるF1 2020年シーズンのマシンについて、従来のシルバーベースからブラックベースのカラーリングで参戦すると発表した。
「シルバー・アロー」のボディカラーが2020年シーズンはブラックベースに
Mercedes-AMG Petronas Formula One Team(メルセデスAMGペトロナスF1チーム)は2020年6月29日、同年7月3日から5日に開催される開幕戦、オーストリアGPからはじまるF1 2020年シーズンのマシンである「メルセデスF1 W11 EQパフォーマンス(W11)」について、従来のシルバーベースからブラックベースのカラーリングで参戦すると発表した。
アメリカから広がった人種差別に対する抗議の流れは、過去5週間で世界中に広まっている。
英ロンドンでも「ブラック・リヴス・マター」デモがおこなわれ、メルセデスF1チームのルイス・ハミルトン選手も参加した。
今回、メルセデスF1チームの多様性を向上させるための公約として、オールブラックのベースカラーリングでレースをおこなうことを選択した。そして、人種差別やあらゆる形態の差別に反対することを明確に表明している。ハロー(コクピット周辺に取り付けられる防護装置)には「人種差別をなくそう」という呼びかけが、ミラーには「#WeRaceAsOne」というF1統一の取り組みが記されている。
ダイムラーAGの取締役会メンバーであり、メルセデスAMGペトロナスF1チームの非常勤会長を務めるマルクス・シェーファーは、「ここ数週間、世界各地で起きた出来事は、人種差別やあらゆる形態の差別と闘い続けることの重要性を再認識させてくれました。メルセデスでは、私たちの組織の強さは社員の多様性にあることを知っており、私たちの社会とビジネスのこの基本原則へのコミットメントを示すために、世界で最も著名なプラットフォームのひとつを利用できることを誇りに思っています」とコメントしている。
メルセデスAMGペトロナスF1チームのチーム代表兼CEOであるトト・ヴォルフは、「人種差別や差別は、私たちの社会やスポーツ、チームにはまったくありません。
しかし、正しい信念と正しい考え方を持つことは、黙っていても十分ではありません。私たちは自分たちの声とグローバルなプラットフォームを使って、敬意と平等のために声を上げたいと考えています。
シルバーアローは2020年のシーズンを通して黒のカラーでレースをおこない、チームとスポーツのなかでの多様性を高めるという私たちのコミットメントを示します。私たちは、この分野での弱点や、まだまだ進まなければならないことを恥じることなく、前向きに行動することを公言します」とコメントする。
人種差別や差別との闘いに向けたコミットメントの中心にいるのは、6度のワールドチャンピオンに輝いたドライバー、ルイス・ハミルトンだ。
ハミルトンは先日、王立工学アカデミーとの研究パートナーシップ「ハミルトン・コミッション」の設立を発表した。
これは、モータースポーツを利用し、黒人の若者をより多く参加させ、最終的にはチームや他の工学分野で彼らを雇用する方法を探求することを目的としている。ルイスとバルテリは2020年シーズンに向けて黒のレーシングスーツを着用してレースに臨むことになるが、両ドライバーはヘルメットのデザインも変えている。
ルイス・ハミルトンは「我々はこの瞬間を捉え、それを利用して個人、ブランド、または企業であるかどうかにかかわらず、自分自身を教育し、本当の意味で意味のあるものにすることが非常に重要です」とコメントした。
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メルセデス・ベンツのレーシングカーは「シルバー・アロー」と呼ばれ、シルバーベースのボディカラーが特徴だ。2020シーズンのメルセデスF1チームは、2019シーズンに引き続き、#44のルイス・ハミルトンと#77のバルテリ・ボッタスがドライバーを務める
新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅な日程変更がおこなわれた2020シーズンのF1は、7月3日から5日にかけておこなわれるオーストリアGPで開幕するが、無観客でのレースとなる。そして9月6日に決勝がおこなわれる予定のイタリアGPまで、全8戦が予定されている。
ちなみに2020年はF1日本グランプリの開催も中止が発表されている。
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