機能性よりも見た目が大事!? デザインを優先したコンパクトカー3選
50年前のFF車はアグレッシブすぎるデザイン!?
●日産「チェリー X-1R」
1970年代の初頭に、室内空間の広さや安定した走りを実現できるFFが注目され始め、日産は1970年に同社初のFF車として「チェリー」を発売しました。
発売当初のボディバリエーションは2ドアセダンと4ドアセダンで、1971年にはスポーティなクーペが加わります。
なかでも上位モデルである「X-1R(エックス・ワン・アール)」はオーバーフェンダーを装備し、最高出力80馬力を発揮する1.2リッター直列4気筒OHVエンジンを搭載することで、若者から高い人気を誇りました。
チェリークーペは斬新で独特なハッチバックスタイルで、リアサイドのデザインが特徴的です。しかし、左右後方視界を度外視した形状だったため、左への車線変更はかなり気を使ったといいます。
また、チェリーは黎明期のFF車だったことから、FR車に慣れたユーザーにはペダルレイアウトやドライビングポジションに違和感があったようで、次世代の「チェリーFII」では大きく改善されました。
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本来、コンパクトカーは実用性や経済性が重要視されるため、デザインで冒険することはほとんどありません。
そのため、今回紹介した3車種のようなモデルは、この先二度と出ることはないであろう貴重なモデルです。
この3車種のようなデザインのクルマが発売されるとは、なんともおおらかな時代だったのではないでしょうか。ある意味、メーカーの余裕が感じられます。
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