炎天下の車内は大人も耐えられない暑さに!? 子どもの車内放置が危険なワケ
毎年夏になると、車内に子どもを放置して熱中症で亡くなるというニュースが報道されます。炎天下でエアコンを使用しない車内では、温度はどれくらい上がるのでしょうか。
サンシェードや窓開けは、ほぼ効果なし!? 車内温度はどれほど上がるのか
気温がどんどん上昇し、夏が近づいていることを感じさせる日が増えてきました。この時期にとくに注意したいのが、駐車中の「車内温度」です。
「少しの時間だから」と車内に子どもを残して、悲惨な事故が起きるケースもよく報道されますが、実際のところはどれほど車内温度が上がるのでしょうか。
今回は、ロードサービスを展開する日本自動車連盟(以下、JAF)がおこなった夏の炎天下を想定した検証実験を元に、車内温度の変化や注意点などを検証します。
JAFによると実際に2019年8月だけで、200件以上もの「車内に子どもが残された状態での救援要請」があったといいます。危険性を改めて認識しておきたいところです。
JAFの検証実験は、2012年の8月22日・23日(晴天)におこなわれました。実験では気温35℃のなか、いったん車内温度を25℃に統一した後に、正午から4時間、駐車状況の異なるミニバン5台を用いて車内温度の変化を検証しています。
使用された車両は「未対策(黒ボディ)」、「未対策(白ボディ)」、「サンシェードを装着(白ボディ)」、「3cm程度の窓開け(白ボディ)」、そして「エアコン使用(白ボディ)」の5台です。
黒のボディカラーは厳しいと予想できるものの、白のボディカラーは車内温度の上昇が抑えられそうに見えます。
しかし実験をおこなったところ、エアコンを使用した車両は当然車内温度の上昇を抑えられているものの、そのほかではわずか10分程度で10℃以上上昇し、37.8℃を記録した車両も出現。
1時間後には、エアコン使用車両以外は、すべて50℃近くまで車内温度が上昇するという結果が出たのです。
さらに熱かったのがダッシュボードの表面温度。黒ボディの79℃を筆頭に70℃以上を記録する車両も多く、サンシェードを装着した車両で52℃、エアコン使用車両で61℃と、大きく上昇する結果となりました。
結果として、サンシェードの装着や少しの窓開けぐらいでは車内温度の上昇を抑えることができない、という事実がわかりました。
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