炎天下の車内は大人も耐えられない暑さに!? 子どもの車内放置が危険なワケ
ボディの大きさと車内温度上昇は関係する?
この検証結果は、いかに夏の炎天下に駐車していると車内温度が高まるかを如実に表しています。
今回はミニバンを用いての実験でしたが、SUVや軽自動車などではまた違った結果になるのでしょうか。日本自動車連盟(JAF)東京支部の高木氏に聞きました。
「小さい車体よりも大きい車体のほうが車内温度は上がりにくいように思われるかもしれませんが、実は逆に、大きいほうが車内温度は上がりやすいのです。
それはフロントガラスの面積が広く、軽ワゴンと比べて角度が浅いことなどが影響していると推測されています。直射日光が多く当たると車内温度が上昇するということです」
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直射日光の熱によって車内温度がどれほど上がるかがわかりましたが、この現象は夏だけでなく、春から初夏にかけての気候でも同じような結果が出ています。
「5月(外気温23.4℃から24.4℃)に、同様の実験を軽ワゴンと大型SUVで検証したところ、春先のような快適な気候でも油断できないことが分かりました。
車内の温度を25℃にしてから測定を開始したのですが、軽ワゴンでは10分後には車内温度が32℃、30分後には35.5℃、1時間後には37.5℃まで上昇しました。大型SUVではさらに車内温度が上がり、1時間で43.5℃まで上昇しています」(高木氏)
また熱中症のリスクには、湿度も大きく関係してくるそうです。湿度が15%と45%の車内では、熱中症の目安となる「暑さ指数(WBGT)」が異なることも実験で証明されているそうです。
湿度15%では熱中症の目安が「注意」レベルだったの対し、45%では「厳重警戒」レベルにまで熱中症のリスクが上昇するそうです。
以上の実験結果を踏まえ、改めて日本自動車連盟(JAF)東京支部の高木氏に、炎天下での駐車に関しての注意点を聞いてみました。
「真夏の炎天下での駐車は、サンシェードの装着や、3cm程度の窓開けなどの対策だけでは、車内温度の上昇を抑える効果は期待できないことが実証されています。
また、それほど暑さを感じない日でも、JAFの実験結果からも、車内温度は予想以上に高くなることがあるということです。わずかな時間であっても、小さい子どもやペットを車内に残さないように留意していただければと思います」
エアコンをつければ車内の温度は下がりますが、ダッシュボードの温度は車内ほど下がらないという点にも気をつけてほしいそうです。
「先述した5月の実験では、わずか1時間でダッシュボードの温度が軽ワゴンで41℃、大型SUVでは57.3℃まで上がりました。
スプレー缶やライターなど事故の原因になり得るものを放置しないでいただきたいですし、スマートフォンやタブレット端末など電子機器を置いたままにすることによる故障にもご注意ください。
また見落としがちなのが、シートベルトのバックルの金属部分です。このパーツも非常に高熱になりやすく、火傷してしまう危険性もあります。同様にドアハンドルなども高温になりやすいので、不用意に素手で触れないようにしていただければと思います」
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炎天下の駐車では、エアコンを使用した場合を除き、サンシェードや薄い窓開け程度では車内温度の上昇が防ぎきれないのは明らかといえます。
せっかくのお出かけで熱中症や火傷などの被害にあわないためにも、駐車する際は貴重品や危険物はもちろん、大切な子どもやペットを絶対に車内に残さないように心がけるのが重要です。
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