豊田章男社長も参戦! トヨタがバーチャルレースを生配信した理由とは

トヨタは2020年5月24日にテレビゲームを用いたバーチャルレース「e-ニュルブルクリンクレース」を同社の公式YouTubeチャンネルでライブ配信しました。レースにはプロのレーシングドライバーのほか、トヨタの豊田章男社長も参戦。大いに盛り上がりました。しかし、なぜ自動車メーカーの公式YouTubeチャンネルで、テレビゲーム上でおこなうレースの中継がおこなわれたのでしょうか。

トヨタが生配信した「e-ニュルブルクリンクレース」 豪華ドライバー陣が多数参戦!

 トヨタは、2020年5月24日に「e-ニュルブルクリンクレース」をトヨタガズーレーシング(以下、TGR)公式YouTubeチェンネルでライブ配信しました。

 けっこう面白かった。そう思った、レース関係者、自動車業界関係者、そしてユーザーが多かったと思います。

 しかし、なぜ自動車メーカーの公式YouTubeチャンネルで、テレビゲーム上でおこなうレースのインターネット中継がおこなわれたのでしょうか。

「e-ニュルブルクリンクレース」のライブ配信の様子。画像右下は豊田章男社長(TGR公式YouTubeチェンネルの動画より)
「e-ニュルブルクリンクレース」のライブ配信の様子。画像右下は豊田章男社長(TGR公式YouTubeチェンネルの動画より)

 今回の企画の背景として、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年5月23日から24日に開催予定だった第48回ニュルブルクリンク24時間レースが9月に延期されたことがあります。

 トヨタはニュルブルクリンク24時間レースに、マシン制作とメカニック・エンジニアなど社員が参加するかたちで2007年から13年連続で参戦して来ました。しかし、「(社会情勢によって)マシン(レクサスLC)の開発が間に合わない」(脇阪寿一氏)として、2020年の参戦を断念しました。

 そうしたなか、モータースポーツファンへのサービスとしてオンラインレースが企画されたのです。

 使用したのは、トヨタが4月17日に開設した、プレイステーション4用ドライビングシミュレーターゲーム「グランツーリスモSPORT」を使った「eモータースポーツスタジオ・サポ―テッドバイTGR」です。

 参加者は、TGRから石浦宏明選手、佐々木雅弘選手、大嶋和也選手、蒲生尚弥選手。スバルSTIから井口卓人選手、山内英輝選手。レーシングプロジェクトバンドウから吉本大樹選手、そしてKONDOレーシングから松田次生選手と高星明誠選手が参加。マシンは、トヨタ「GRスープラ」、日産「GT-R」、そしてスバル「WRX」です。

 解説は、TGRの脇阪寿一氏、STIの松田晃司氏、レーシングプロジェクトバンドウの坂東正敬氏、さらにゲストにSTI総監督の辰己英治氏という、ニュルブルクリンクを知り尽くしたメンバーが揃いました。

 冒頭、参加者へのインタビューなどを通じて、ニュルブルクリンク24時間レースへの思いが語られました。

 そのなかで、STIの辰己総監督から「(社会情勢を考慮し)スポンサーなど関係者と協議し、もう少し待ってから判断しようかという状況です」と、2020年の参戦に関する本音が漏れました。

 サプライズとして、TGR脇阪氏のスマホにモリゾウ選手(豊田章男トヨタ社長)から電話があり、その後に電話をつないだKONDOレーシングの近藤真彦監督とモリゾウ選手とのあいだで、参戦時の現地での裏話が披露されるひと幕もありました。

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2件のコメント

  1. スバルが使用した車はBRZではなくWRXでしたよ。

    • このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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