新車価格下がる? 感染防止で再評価の「クルマ」 コロナ後にヒットさせる条件とは

バブル崩壊後、ホンダに起きた“変化”とは?

 思い起こしてみてください。新型コロナに匹敵するバブル景気崩壊後、自動車業界はどんな対応をしたでしょうか。

 象徴的なのがホンダの“変化”です。それまで乗用車をメインにしていたメーカーながら、バブル景気崩壊により販売は低迷。三菱自動車に買収される話も出ました。

 するとホンダはライバルより圧倒的に割安な価格で、RV路線を強化していきます。

ホンダ初代「オデッセイ」
ホンダ初代「オデッセイ」

 当時、乗用車タイプのミニバンは「MPV」や「エスティマ」が先行していたものの、生産台数の少ない専用シャシを使っていたため高価でした。

 そこで、ホンダは大量生産していた「アコード」のプラットフォームを流用し、「ひと回り小さいモデルと同等の価格でいながら立派に見える」というミニバン「オデッセイ」を1994年に179万5千円でリリースして大ヒット。

 1995年にはSUVの「CR-V」を172万円で発売。これも新しい価値観のある魅力あるモデルでいながら、どう考えてもお買い得なプライスでした。乗用車をベースにしていたため、圧倒的に乗り心地が良く上質でした。

 1996年はメガヒットを飛ばす「ステップワゴン」が登場。これらのホンダ車はすべて「ライバルとはひと味違い、安価で快適」という共通項を持っていました。

 歴史から学ぶなら、今後必要とされるクルマは、安価&低燃費でいながら高い安全性を確保していることだと思います。

 具体的に書くと、価格200万円。狭くていいから3列目のシートを備え、最新の衝突安全性と事故を起こさないための衝突被害軽減ブレーキが付き、燃費は2020年基準をクリアするJC08モードで20km/L、といったイメージです。

 デザインは今までにまったく無いような、新しい方向性が必要。安全装備をフルに備える新型「フィット」は160万円程度。こういったクルマをベースにすれば、200万円を切る価格で一回り大きい車体も実現出来ることでしょう。

 どこのメーカーが手がけるか予想出来ませんが、3年以内に出せば、必ずや世界的規模で欲しいという顧客が出てくると思います。

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トヨタ新型ハリアーの内装色はコントラストを抑えた色合い
トヨタ新型ハリアーに採用される「電動シェード付パノラマルーフ」。オプション価格は約19万円。

Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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1件のコメント

  1. 何時になったらセダンの安全性に気付くのかね?
    家族構成で広い車内の車が欲しいのは分からんでもないが、何でセダンの骨格から増築したミニバンが好まれるのかね?
    同じドレッドで背が高けりゃ横転のリスクが増えるだけだし、第一にメーカーが完成車各々を安定傾斜角度の実測すらしないで大半を完成検査証で通過するような金太郎飴生産方式が一番ヤバいと思うけどね。
    結局は面倒くさい堕落が環七通りのタンクローリー横転とか都心の緊急時の消防車の横転につながったわけで
    本来なら燃料油脂を満タンにして計量する証明書が今はすっかり公式の計算上でばらまくように発行されてるからね。
    トラックベースのキャンピングカーなんてあやしいもんだよね。
    注視すべきは華やかな新型車ではなく個々の企業体質だろうね、しかし自動車評論家でここにメスを入れられない召し抱え評論家が多いのも問題なんだけどね。

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