日産「180SX」はなぜ延命されたのか!? じつはロングセラーだった車5選
現在、新型車が登場してからフルモデルチェンジをおこなうまで、6年から8年のサイクルというのが一般的ですが、なかには10年を超えるようなモデルも存在。そこで、じつはロングセラーだった意外なモデルを5車種ピックアップして紹介します。
振り返ってみるとじつはロングセラーだったクルマたち
かつて新型車がフルモデルチェンジをおこなうサイクルは4年でしたが、いまでは6年から8年というのが世界的にも一般的です。
なかには10年以上もフルモデルチェンジすることなく販売されているクルマも存在します。
そうしたロングセラーなクルマがある理由としては、単に人気が持続しているケースやメーカーの事情によるなどさまざまです。
そこで、ロングセラー車のなかから意外な理由で継続販売されたケースや、珍しいモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「180SX」
日本の景気が急上昇していた1988年に発売された日産5代目「シルビア」は、優れたデザインと走りで、またたく間にヒット作になりました。
翌年の1989年にはシルビアをベースとしたハッチバックの姉妹車「180SX」が登場し、日産のスポーツカーラインナップを磐石なものとします。
シルビアが固定式ヘッドライトだったのに対して180SXはリトラクタブルヘッドライトを採用したフロントフェイスで、見た目は完全に別のクルマに仕立てられていました。
発売当初に搭載されたエンジンは、最高出力175馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボで、後に205馬力の2リッターターボと140馬力の2リッター自然吸気に換装。
そして1993年に、シルビアは6代目へとフルモデルチェンジしますが、180SXはフルモデルチェンジすることなく継続して販売されました。
これは、6代目シルビアが先代のシャシを流用していたことで、180SXを並行して生産しても設備等の問題が生じなかったことと、シルビアとは別車種という位置付けだったこと、比較的人気がありモデルチェンジの費用削減ができることなどからの措置と思われます。
その後、1999年の7代目シルビアの登場まで約10年間にわたり、180SXは改良が加えられながら販売されました。
●マツダ「ベリーサ」
2004年に発売されたマツダ「ベリーサ」は、2代目「デミオ」のシャシを流用して開発されたプレミアムコンパクトです。
したがって、外観はデミオのようなポップな印象ではなく、フロントフェイスもリアビューもシックなデザインを採用しています。
搭載されたエンジンは1.5リッター直列4気筒で4速ATの組み合わせのみ。駆動方式はFFと後輪をモーターで駆動する「e-4WD」がラインナップされました。
ドアのロック/アンロックと、エンジンスタートができる「アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム」を全車に標準装備し、メーカーオプションでは約3000曲を収録できる「ミュージックHDD」が用意されるなど、当時としては豪華装備を設定。
また、本革シートを標準装備するグレードや、イモビライザー、オートライト、レインセンサーワイパーを組み合わせたパッケージが追加されるなど、2015年の生産終了まで装備の充実が図られました。
11年ものロングセラーだったベリーサは大ヒットすることはありませんでしたが、日本では斬新だったプレミアムコンパクトというコンセプトにより、生き残ったといえます。
●トヨタ「シエンタ」
2003年に、3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売され、取り回しのよい大きさのボディと広い室内で、ファミリー層から人気となります。
2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売され、しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。
ところが、スライドドアでなくヒンジドアを採用したパッソセッテは、販売台数が極端に低迷してしまいます。
そこで、トヨタが採った策は異例の珍事というべきもので、生産を終えていたシエンタの再販を決めたのです。
2011年にシエンタがマイナーチェンジモデルとして復活し、逆に2012年にはパッソセッテが販売終了となってしまいました。
その後、シエンタは2015年にフルモデルチェンジしたので、初代は12年間にわたって販売されたことになります。
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