バブルの頃はハイパワーな輸入車に憧れた!? 日本で人気があった欧州高性能車5選

1980年代から1990年代にかけては、クルマの高性能化が一気に進みました。その頃は国産車だけでなく輸入車も高性能モデルが続々と登場。そこで、日本で人気があった往年の欧州高性能車を5車種ピックアップして紹介します。

スポーツカーといえば欧州車もカッコイイ!

 日本ではDOHCエンジンやターボエンジン、フルタイム4WDシステムを搭載した高性能車が、1980年代から1990年代にかけて次々と誕生しました。

往年の高性能な欧州車はいまでも色褪せない魅力的なモデルばかり
往年の高性能な欧州車はいまでも色褪せない魅力的なモデルばかり

 同時期には欧州メーカーでも高性能モデルが続々と登場し、ラリーやレースの活躍によって、人気が急上昇します。

 そこで、日本でも人気があった往年の欧州高性能車を、5車種ピックアップして紹介します。

●ランチア「デルタHF インテグラーレ」

ランエボやインプが目指したラリーマシンの「デルタHF インテグラーレ」(画像はエボルツィオーネII)
ランエボやインプが目指したラリーマシンの「デルタHF インテグラーレ」(画像はエボルツィオーネII)

 1979年に登場したランチア「デルタ」は、欧州で人気があったFFコンパクトカー市場に投入された、1ランク上の質感が特徴の5ドアハッチバックです。

 日本の5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディに、搭載されたエンジンは1.3リッター、1.5リッター、1.6リッターの直列4気筒ガソリンに1.9リッター直列4気筒ターボディーゼルと、多彩なバリエーションでさまざまなニーズに応えていました。

 本来、デルタはシティユースに適したクルマとして開発されましたが、1986年に、世界ラリー選手権(WRC)に参戦する目的でハイパワーな165馬力(欧州値)のハイパワーなエンジンを搭載し、フルタイム4WDを採用した「デルタHF 4WD」を追加ラインナップ。なお、開発はアバルトの手によっておこなわれました。

 1988年には、さらに高性能化を図ったモデルの「デルタHF インテグラーレ」を発売します。

 デルタHF インテグラーレに搭載されたエンジンはデルタHF 4WDと同じ2リッター直列4気筒DOHCターボをベースに、最高出力185馬力まで高められました。

 また、サイズアップしたホイールとタイヤを収めるために、前後フェンダーをブリスター化したワイドボディを採用して迫力ある外観となります。

 サスペンションはベース車両と同じ4輪ストラット式ですがスポーツ走行に適したチューニングが施され、大径化された4輪ディスクブレーキも装備するなど、高い走行性能を発揮。

 1987年からグループA車両によって争われることになったWRCに参戦すると、初年から6年連続でメーカータイトルを奪取するなど、高性能さを証明して日本でもファンを獲得しました。

●メルセデス・ベンツ「190E 2.3-16」

日本で大ヒットした190Eの高性能モデル「190E 2.3-16」
日本で大ヒットした190Eの高性能モデル「190E 2.3-16」

 1985年に日本で正規輸入販売が開始されたメルセデス・ベンツ「190E」は、日本のファミリーカーの代表格だったトヨタ「コロナ」や日産「ブルーバード」と同じ、5ナンバーサイズに収まるコンパクトボディのエントリーモデルとしてデビュー。

 小型セダンながらブランド力から高級車として受け入れられ、バブル経済の追い風もあり、日本でも街に溢れるほどの大ヒットとなりました。

 ベーシックな190Eは、最高出力115馬力の2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載していましたが、市販車をベースにしたレース車両で争われるドイツの「DTM(ドイツツーリングカー選手権)」参戦を目的に開発された、2.3リッター直列4気筒エンジンにコスワース社が開発したDOHC16バルブヘッドを搭載する「190E 2.3-16」が登場。1986年には日本へも正規輸入が開始されます。

 コンパクトなボディに最高出力175馬力のエンジンに、鍛えられたサスペンションなど、日本におけるメルセデス・ベンツのイメージを大きく変えました。

●BMW「M3」

まさにレース直系のスペシャルマシン「M3」
まさにレース直系のスペシャルマシン「M3」

 1982年に2代目にモデルチェンジされたBMW「3シリーズ」は、比較的コンパクトな2ドアと4ドアのセダンを基本に、カブリオレ、ステーションワゴンなどのボディバリエーションが用意されました。

 エンジンのバリエーションも豊富で、日本仕様には直列4気筒1.8リッターと直列6気筒2/2.5/2.7リッター搭載車がラインナップされ、日本におけるBMWの普及に貢献。

 さらに、1985年にはBMWの研究開発などを担当するモータシュポルトGmbH(現在のM社)が、欧州ツーリングカーレースに勝つために設計、開発した「M3」が登場します。

 M3は2ドアセダンをベースに、最高出力195馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。

 外観はフロントスポイラーとリアの大型スポイラー、サイドスカート、太いタイヤを収められるようにワイド化したブリスターフェンダー、Cピラーからトランクリッドも専用形状とされるなど、大胆に手が入れられていました。

 ノーマルの3シリーズとは明らかに異なるルックスと、従来からBMWの高性能バージョンだった「M」のネーミングが与えられたことから、モータースポーツ好きのみならず憧れのクルマとなります。

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