おもしろいギミックを採用したけど絶滅!? ヘッドライトが特徴的な車5選

50年も前に動くヘッドライトを採用したクルマとは!?

●ポルシェ「928」

色褪せない魅力があるグランツーリスモの「928」
色褪せない魅力があるグランツーリスモの「928」

 ポルシェ「911」の上級後継車として開発され、1977年に登場した「928」は、911最大の特徴であるRRではなくFRを採用したラグジュアリークーペです。

 発売当初に搭載されたエンジンは、新開発の水冷4.5リッターV型8気筒SOHCで、1980年に4.7リッターへと排気量を拡大し、1985年にはさらに排気量をアップした5リッターになるとともにDOHC化され、最終的に最高出力350馬力を誇る5.4リッターV型8気筒を搭載。

 新世代のポルシェとして開発されたのは外観からも明らかで、特にヘッドライトは斬新でした。

 911と同様なイメージの丸型ライトとしながらも、消灯時はフロントノーズに上向きで格納され、点灯時は前方に向けて起き上がるポップアップ式を採用しています。

 また、トランスミッションをデフと一体にしてリアに配置することで、前後重量バランスを最適にするトランスアクスルや、後輪の荷重でトー角を変化させる「ヴァイザッハ・アクスル」を採用するなど、スポーツカーの理想を具現化したモデルです。

 しかし、前述のとおり911の後継車になるはずだった928ですが、大排気量のグランドツーリングカー的な性格は、既存の911ユーザーから受け入れられませんでした。

 一方で、1995年に生産を終えるまで18年ものロングセラーだったため、新しい顧客の獲得には成功したと評価されています。

●シトロエン「SM」

シトロエン車のなかでも、もっとも前衛的なデザインといわれる「SM」
シトロエン車のなかでも、もっとも前衛的なデザインといわれる「SM」

 シトロエン「SM」は、FFレイアウトで200km/h超の走行を目指して開発された2ドアクーペで、1970年のジュネーブショーで発表されました。

 全長4893mm×全幅1836mm×全高1324mmと大柄なボディで、最大の特徴は宇宙船と評された斬新な外観デザインにあります。

 搭載されたエンジンはマセラティ製の2.7リッターV型6気筒DOHCで、北米市場向けに3リッター仕様も用意されました。

 最高速度はキャブレター仕様で217km/h、インジェクション仕様では229km/hと、開発目標を大きく上回り、シトロエンの技術力を内外にアピール。

 シトロエンのモデルはユニークなメカニズムを採用しているのも特徴的で、なかでも油圧を使ったハイドロニューマチックシステムは、サスペンションの動きやパワーステアリング、ブレーキの増力にも利用されていました。

 そして、ヘッドライトにもこの油圧システムが用いられており、ガラスカバーに覆われた角型6灯のうち、内側2灯はハンドル操作に連動して向きが変わるという凝ったギミックを採用しています。

 なお、この可動式ライトは保安基準の問題から北米仕様では固定式の丸型4灯へと変更され、日本へ正規輸入されたのはこの北米仕様でしたが、後から本国仕様に改造されたクルマも多かったようです。

※ ※ ※ 

 現在、ヘッドライトの主流はLEDになりつつあります。長寿命で消費電力が少なく、照射角をコントロールでき、デザインの自由度が高いというメリットがあるからです。

 一方で、なにかトラブルがあった際は、部品交換ができないためユニット交換になるケースが多く、高額な修理代が発生してしまうデメリットもあります。

 LEDヘッドライトには一長一短ありますが、安全面などのメリットを考えると、普及はさらに加速していくのではないでしょうか。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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